私たちが日常的に手にする輸入品や、海外へ輸出される工業製品。そのほとんどは「港」を経由しています。港は、モノを船に積んだり降ろしたりするだけの場所ではなく、通関、保管、配送といった複雑な機能が集積する、まさに国際貿易の最前線です。 明治6年…
パンフレットやカタログ、書籍やパッケージなど、私たちの身の回りには無数の印刷物があふれています。しかし、社会のデジタル化が急速に進む中で、多くの印刷会社は「紙からデジタルへ」という大きな時代の変化に直面し、厳しい経営を迫られています。その…
私たちが日常的に手にする輸入品の数々。そのほとんどが、巨大なコンテナ船によって海を渡り、港で陸揚げされ、私たちの元へ届けられています。四方を海に囲まれた日本にとって、港湾はまさに経済の玄関口であり、貿易の生命線です。特に、外国貿易定期貨物…
明治22年(1889年)、菜種油の製造からその歴史をスタートさせた一社の製油会社がありました。パリ万博で金賞牌を受賞するなど、その品質は世界でも高く評価され、日本の油脂産業の黎明期を支えました。しかし、時代は移り変わり、同社は祖業であった製油事業…
「MY JAM」の愛称で親しまれる色とりどりのジャム、食卓を彩るコンビーフの缶詰、そして「いつも いちばん いいものを」のスローガンのもと、世界中から厳選された食料品やお酒が並ぶ高級スーパーマーケット「明治屋ストアー」。これらの商品は、多くの人に…
私たちが公園で目にする美しい花壇や、家庭菜園で育てる新鮮な野菜。その一つ一つの植物が、私たちの暮らしに彩りと豊かさをもたらしてくれます。しかし、その種や苗がどこで生まれ、どのようにして私たちの元へ届けられるのか、その背景にある企業の努力を…
特別な日に訪れる、クラシックな雰囲気のフレンチレストラン。あるいは、仕事帰りに立ち寄る、活気あふれるビアホール。こうした「食」を愉しむ空間には、それぞれに歴史と物語が宿っています。もし、そのレストランのルーツが、明治時代、松方正義や桂太郎…
鹿児島は、桜島が噴煙を上げる雄大な自然と、豊かな食文化に彩られた土地です。その食文化のまさに中心にあり、人々の暮らしに深く根付いているのが、サツマイモを主原料とする本格焼酎(芋焼酎)です。一日の疲れを癒す晩酌の「おやっとさあ(お疲れ様)」…
創業は天保年間(1830年代)。福岡県久留米市という、筑後川の豊かな水に育まれた酒どころに深く根を下ろし、約200年にわたり人々の暮らしを潤してきた酒蔵があります。その名は、鷹正宗株式会社。「いい酒、いい顔、タカマサムネ」のキャッチフレーズで地元…
世界中でクラフトジンブームが巻き起こる中、日本でも各地のボタニカル(植物由来の原料)を活かした個性豊かな「ジャパニーズジン」が次々と誕生し、大きな注目を集めています。その多くが、地域の特産品や独自の製法を強みとする中、日本の”国酒”である「S…
私たちが日常的に手にする化学製品や食品、飲料。その多くは、生産されてから消費者の元に届くまでの間、「倉庫」という場所で一時的に保管されています。特に、引火や発火の危険性がある化学工業品は、専門的な知識と厳格な管理体制がなければ安全に保管す…
私たちの食卓を彩る新鮮な魚介類。その安定した供給の裏には、生産者と消費者を結ぶ「魚市場」という巨大なインフラの存在があります。しかし、近年では人々の「魚離れ」や物流網の変化、後継者不足など、市場を取り巻く環境は決して平坦ではありません。歴…
明治の文豪・夏目漱石、物理学者アインシュタイン、そして絶世の美女ヘレン・ケラー。彼らが愛し、滞在した場所が日本にあることをご存知でしょうか。栃木県日光市に佇む「金谷ホテル」は、1873年(明治6年)の創業以来、国内外の要人を迎え入れてきた、現存…
橋を架け、道を造り、港を築く。私たちの社会インフラは、建設業のたゆまぬ努力によって支えられています。中でも、四方を海に囲まれた日本にとって、港湾整備や護岸工事、さらには洋上風力発電所の建設などを手掛ける「海洋土木(マリコン)」は、国の安全…
明治、大正、昭和、平成、そして令和へ。100年以上にわたり、北の大地・北海道の発展と共に歩み、道路を造り、建物を建て、地域の産業を支えることで社会の基盤を築き上げてきた企業があります。それは、人々の暮らしと経済活動に不可欠な「場」を創造する、…
私たちが暮らす街の風景は、一夜にして出来上がるものではありません。学校、市役所、工場、そして日々の買い物で利用する店舗。その一つひとつが、地域の歴史と人々の暮らしに寄り添いながら、建設会社の手によって創り上げられてきました。特に、創業から1…
私たちの生活に欠かせないスマートフォンやパソコン。その内部では、情報を高速処理するための無数の超小型電子部品が稼働しています。これらの部品を熱から守り、性能を最大限に引き出すために不可欠なのが、「スーパーエンジニアリングプラスチック」と呼…
自動車のエンジンを構成する精密部品、工場の生産ラインで稼働するロボットのアーム、日々の暮らしを支える家電製品のモーターシャフト。これらの高性能な工業製品には、一見地味ながらも極めて重要な「みがき棒鋼」という素材が使われています。大手鉄鋼メ…
私たちが毎日使う水道水、食卓に並ぶお米や野菜。これらの安定供給は、目に見えない社会インフラによって支えられています。新潟県新潟市に本社を置く株式会社ナビックは、創業から1世紀以上にわたり、まさにその「水」と「食」を支えるインフラ整備に深く関…
私たちが毎日口にする、加工食品。その美味しさ、鮮やかな色合い、そして何よりも「安全」は、決して当たり前のものではありません。その裏側には、目に見えない微生物と戦い、食品の品質を守るための、100年以上にわたる科学技術の探求の歴史があります。醤…
私たちが毎日身に着けているTシャツやジーンズ。その一着が、世界中の綿花畑から紡績工場、織物工場、縫製工場を経て、私たちの手元に届くまでの壮大な旅を想像したことがあるでしょうか。その複雑なサプライチェーンを、180年以上にわたってオーケストラの…
企業の名前には、その成り立ちや歴史が刻まれています。「栗田煙草苗育布製造株式会社」という社名を聞けば、多くの人は農業、特に煙草栽培を支える資材を作る会社を想像するでしょう。事実、同社の創業は明治40年、日本の農業の近代化と共に歩み始めた老舗…
江戸時代の享保11年(1726年)、八代将軍・徳川吉宗の治世に名古屋で創業した一軒の薬種商。以来、約300年の長きにわたり、時代の変遷を乗り越え、人々の健康を支え続けてきた企業があります。それが、東海地方を基盤とする医薬品卸の雄、中北薬品株式会社で…
スーパーマーケットに並ぶ、大量生産された安価な食用油。それは私たちの食生活に欠かせないものですが、その一方で、手間と時間をかけて昔ながらの製法を守り続ける作り手たちがいます。鹿児島市に本社を置く持留製油株式会社は、そんな稀有な企業の一つで…
明治10年、文明開化の音が響く京都で、絵具や染料を扱う一軒の商店が産声を上げました。以来140年以上にわたり、日本の産業の「色」と「機能」を支え続け、染料から化学品、そして最先端の電子材料へと、時代の変化とともにその姿を変えてきた化学品専門商社…
私たちが毎日安全に通行する道路や橋、子どもたちが学ぶ学校、そして地域の行政を担う市役所。これらの社会インフラは、日々の暮らしに不可欠な存在ですが、その建設を担う企業の姿を意識する機会は少ないかもしれません。今回は、1914年(大正3年)に長野県…
私たちが毎日を過ごす「家」や、働く「オフィスビル」。その快適性や安全性、そしてデザイン性を決定づける窓やドア、壁といった建材は、どのような企業によって私たちの暮らしに届けられているのでしょうか。今回は、1923年(大正12年)に創業し、2023年に1…
日本の産業を支える鉄鋼業。その巨大な製鉄所の内部では、24時間365日、鉄の生産が続けられています。しかし、その長大な生産ラインのすべてを、鉄鋼メーカー1社だけで動かしているわけではありません。巨大なクレーンの操縦から、鋼の品質検査、精密な加工…
創業からまもなく100年を迎える老舗の建設会社。その響きには、地域社会を支えてきた歴史と信頼という、揺るぎない安定感が感じられます。しかし、伝統を守るだけでは生き残れないのが、現代の厳しいビジネス環境です。建設業界が人手不足や資材高騰といった…
大正12年(1923年)の創業から、実に100年以上の歴史を刻む、滋賀県を代表する総合建設会社、辻寅建設株式会社。地域の医療福祉施設や工場、学校、そして私たちの暮らしを支える道路や河川まで、数多くの建設プロジェクトを手掛け、まさに地域社会の発展と共…