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#10203 決算分析 : 山崎産業株式会社 第77期決算 当期純利益 520百万円


街を歩けば必ず目にする、玄関マットや分別ゴミ箱、清掃用具。それらの多くに刻まれた「CONDOR(コンドル)」のロゴマークをご存知でしょうか。
それは、大阪に本社を置く環境用品メーカー「山崎産業株式会社」のブランドです。1949年の設立以来、「環境美化」をテーマに、家庭用から業務用まで幅広い製品を提供し続けてきた同社。今回は、第77期決算公告を読み解き、売上高135億円、当期純利益5.2億円という堅実な数字を叩き出す老舗企業の底力と、その背後にある経営戦略に迫ります。

山崎産業決算

【決算ハイライト(第77期)】
資産合計: 18,086百万円 (約180.86億円)
負債合計: 9,468百万円 (約94.68億円)
純資産合計: 8,617百万円 (約86.17億円)

売上高: 13,591百万円 (約135.91億円)
当期純利益: 520百万円 (約5.20億円)
自己資本比率: 約47.6%
利益剰余金: 8,791百万円 (約87.91億円)

【ひとこと】
売上高約136億円に対し、当期純利益5.2億円(売上高純利益率約3.8%)と、製造業として堅実な収益を上げています。特筆すべきは、利益剰余金が約88億円も積み上がっている点です。これは総資産の約半分に相当し、長年にわたる黒字経営の蓄積が、いかに強固な財務基盤を築き上げているかを物語っています。

【企業概要】
企業名: 山崎産業株式会社
設立: 昭和24年(1949年)
株主: 伊東 廸之 ほか
事業内容: 清掃用品、衛生用品、施設用品等の製造・販売(ブランド名:CONDOR)

www.yamazaki-sangyo.co.jp


【事業構造の徹底解剖】
山崎産業のビジネスは、約6,000アイテムにも及ぶ膨大な製品ラインナップと、全国を網羅する販売ネットワークによって支えられています。

✔業務用製品事業(BtoB)
売上の大半を占める主力事業です。ビルメンテナンス会社や官公庁、商業施設向けに、清掃用具(モップ、ブラシ)、大型ゴミ箱、玄関マット、ポリッシャー(床洗浄機)などを販売しています。「プロが選ぶ道具」としての信頼性は高く、特に公共施設におけるシェアは圧倒的です。最近では、人手不足に対応した搭乗式清掃機などのロボット化製品も強化しています。

✔家庭用製品事業(BtoC)
「Satto」や「バスボンくん」などのブランドで、ホームセンターやドラッグストア向けに家庭用清掃用品を展開しています。業務用で培った耐久性や機能性を家庭用に落とし込むことで、他社製品との差別化を図っています。

✔環境・新規事業
屋上緑化システムや、感染症対策としての消毒スタンドなど、時代のニーズに合わせた環境商材も手掛けています。単なる掃除道具メーカーから、「環境ソリューション企業」への脱皮を図っています。


【財務状況等から見る経営環境】
第77期決算公告(2025年7月18日現在)の数値をもとに、同社の経営環境を分析します。

✔外部環境
原材料(樹脂、金属)価格の高騰や円安は、製造コストを押し上げる大きな要因です。また、ビルメンテナンス業界の人手不足は深刻化しており、効率化・省人化に貢献する製品へのニーズが急増しています。SDGsへの関心の高まりも、環境配慮型製品を展開する同社にとっては追い風です。

✔内部環境
損益計算書を見ると、売上総利益率は約35.4%(4,812百万円÷13,591百万円)と、メーカーとして十分な粗利を確保できています。販管費も適切にコントロールされており、営業利益593百万円(営業利益率約4.4%)を計上しています。特別利益57百万円に対し、特別損失の計上が見当たらないことから、本業以外での突発的な損失もなく、安定した経営状態と言えます。

✔安全性分析
流動比率は約195%(8,679百万円÷4,447百万円)と、短期的な支払い能力は極めて高い水準です。固定負債が5,021百万円ありますが、これは工場設備や物流センターへの投資に伴うものと考えられます。自己資本比率47.6%と健全であり、借入金に依存しすぎないバランスの取れた資本構成を実現しています。


SWOT分析で見る事業環境】
同社についてここまで見てきた内容を、SWOT分析にまとめて整理をします。
✔強み (Strengths)
「圧倒的な製品数とブランド力」です。掃除用具から施設備品まで、カタログ一冊で全てが揃うワンストップ性は、代理店やユーザーにとって大きなメリットです。また、「コンドル」ブランドの認知度は業界内で絶対的です。

✔弱み (Weaknesses)
コモディティ化のリスク」です。モップやバケツといった汎用品は、安価な海外製品や競合他社との差別化が難しく、価格競争に巻き込まれやすい側面があります。高付加価値製品へのシフトが常に求められます。

✔機会 (Opportunities)
「インバウンドと衛生需要」です。観光客の増加に伴い、ホテルや空港、商業施設の清掃需要は拡大しています。また、アフターコロナにおいても衛生意識は高く、除菌・抗菌関連製品の需要は底堅いでしょう。

✔脅威 (Threats)
「原材料高と物流コスト」です。製品の多くがプラスチックや金属を使用しており、原油価格や素材市況の変動をダイレクトに受けます。また、製品がかさばるため、物流費の高騰も利益率を圧迫する要因となります。


【今後の戦略として想像すること】
コンサルタントの視点から、山崎産業の今後の戦略を推測します。

✔短期的戦略
短期的には、「価格転嫁と高機能製品の拡販」です。コスト増分を適切に価格に反映させつつ、独自の特許技術などを用いた高単価製品(例:超吸水マットや高性能ポリッシャー)の販売比率を高め、利益率の維持・向上を図るでしょう。

✔中長期的戦略
中長期的には、「スマート清掃ソリューション」の提供です。単に道具を売るだけでなく、清掃ロボットやIoTセンサーを活用した「汚れの可視化」「清掃ルートの最適化」など、ビルメンテナンス業務全体のDXを支援するサービスプロバイダーへと進化していく可能性があります。また、海外市場(特にアジア圏)での販売網強化も成長の鍵となるはずです。


【まとめ】
山崎産業株式会社は、77年という長い歴史の中で、「きれいにする」という普遍的な価値を提供し続けてきました。5.2億円という純利益は、その地道な積み重ねの結果です。これからも、私たちの街や暮らしを陰から支える「縁の下の力持ち」として、環境美化の最前線を走り続けてくれることでしょう。


【企業情報】
企業名: 山崎産業株式会社
所在地: 大阪府大阪市浪速区下寺三丁目11-2
代表者: 代表取締役社長 土井 俊二
設立: 昭和24年3月
資本金: 588,000,000円
事業内容: 環境用品(清掃・衛生・施設用品)の製造・販売
主要ブランド: CONDOR(コンドル)

www.yamazaki-sangyo.co.jp

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