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#48 イケア・ジャパン 16期決算 利益▲978百万円!そしてニトリのことを少々

利用した方もそれなりにいるんじゃないでしょうか。イケア・ジャパン。

www.ikea.com

 

今ある店舗は7店舗で、港北店、立川店、新三郷店、仙台店、長久手店、神戸店、福岡新宮店。

 

イケア・ジャパンの売上推移は以下(決算公告等を参考に作成)

2012年度:674億円

2013年度:728億円(+8.0%)

2014年度:772億円(+6.0%)

2015年度:781億円(+1.2%)

2016年度:768億円(▲1.7%)

2017年度:741億円(▲3.5%)

 

2015年度で売上が頭打ちとなっており、漸減傾向にあります。営業利益をみていっても、2013年8月期が12.0%がったものが、2015年8月期には1.2%へ急落し、掲載した決算期では営業赤字(▲1,446百万円)に転落しています。

 

実店舗のショールーミング化は数年前から危機感をもって語られてきたことであり、EC対応が急務となってきました。イケアの実店舗へのこだわりは強く、EC対応したのが2017年から。

 

対応して見ていきたいのは、対照的に絶好調なニトリ。2007年からニトリネットというサービスをスタートさせ、サイトがダウンするなどトラブルがあったものの、いち早くECへの対応を進めてきました。

 

ニトリホールディングスの売上推移は以下。

2012年度:3,488億円

2013年度:3,876億円(+11.1%)

2014年度:4,173億円(+7.7%)

2015年度:4,851億円(+16.2%)

2016年度:5,130億円(+5.8%)

2017年度:5,721億円(+11.5%)

 

とはいえ、ニトリネットでの売上は全体の5%程度しか占めていないため、増収は「店舗数」「来店客数」「客単価」を見ていくことでその背景を読み取ることができます。

 

2012年度末:286店舗、客数+2.3%、客単価+2.3%

2013年度末:312店舗、客数+6.6%、客単価+3.9%

2014年度末:346店舗、客数+3.5%、客単価+2.2%

2015年度末:383店舗、客数+10.7%、客単価▲1.3%

2016年度末:428店舗、客数+14.3%、客単価▲2.2%

2017年度末:467店舗、客数+16.6%、客単価▲5.0%

(※客数は全店客数、客単価全店客数。比率は前年比)

 

これをみると客数の増加は店舗数の増加によるものと考えられ、他方で客単価が落ちているので増収は40店舗ほど店を増やしていることによるものと考えられます。

 

店舗が飽和してくると売上増加の傾きがゆるくなると考えられ、そこをECでどう補っていくのか。これからどういう手を売ってくるのか注目です。

 

大塚家具についてはいろいろと言いたいことがあるので、また別の機会に。

 

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