菅原電気株式会社の第102期(令和6年11月30日現在)の決算公告が、令和7年2月28日付の官報に掲載されましたので、その概要をピックアップします。
第102期 決算のポイント(単位:百万円)
資産合計: 4,612百万円 (約46.1億円)
負債合計: 2,116百万円 (約21.2億円)
純資産合計: 2,497百万円 (約25.0億円)
当期純利益: 71百万円 (約0.7億円)
今回の決算では、当期純利益として71百万円(約0.7億円)が計上されました。純資産合計が約25.0億円と総資産の54%以上を占め、利益剰余金も2,438百万円(約24.4億円)と潤沢であり、100年以上の歴史に裏打ちされた極めて健全で安定した財務基盤を誇ります。
事業内容と今後の展望(考察)
【事業内容の概要】
菅原電気株式会社は、1908年創業の歴史ある企業であり、「商社」と「専門工事会社」の二つの顔を持つユニークな事業構造を特徴としています。公式ウェブサイトによると、事業は以下の3つの柱で構成されています。
電機・電子・情報分野: FA制御機器、LED、コネクタ、電源関連など、多岐にわたる電機・電子部品や情報関連製品を扱う商社事業。
産業資材分野: 創業の礎である電気絶縁材料から、梱包・工業用テープ、スポーツ関連のキネシオロジーテープまで、幅広い産業資材を取り扱う商社事業。
設備工事分野: 上記の商社機能で培った豊富な製品知識と技術力を活かし、電気設備、消防設備、電気通信設備、セキュリティ設備などの設計・施工・管理を行う専門工事事業。
【財務状況と今後の展望・課題】
第102期決算で安定した利益を確保できた背景には、この「商社機能」と「専門工事機能」を併せ持つ複合的なビジネスモデルがあると強く推察されます。部品や資材を販売する商社事業が安定した収益基盤を形成する一方で、専門知識を活かした設備工事事業が大きなプロジェクトを手掛ける、という相互補完的な関係が、同社の経営安定性に寄与していると考えられます。
菅原電気の最大の強みは、この事業の多角化によるシナジー効果です。商社として多様な製品に精通しているからこそ、設備工事において最適な部材を選定し、コスト競争力と技術的優位性を両立させることが可能です。また、100年を超える歴史は、顧客や仕入先との揺るぎない信頼関係の証です。
今後の展望としては、この独自の強みをさらに活かしていくことが期待されます。例えば、省エネ化やスマートビル、工場の自動化(FA)といった現代的なニーズに対し、商社として最新の製品を調達・提案し、工事会社としてそれを確実に施工する、という一気通貫のソリューション提供は、同社ならではの価値を発揮できる領域です。企業の持続的な成長には、各事業分野での専門性を高めつつ、分野間の連携をさらに深化させていくことが鍵となるでしょう。
企業情報
企業名: 菅原電気株式会社
所在地: 東京都中央区銀座七丁目7番11号
代表者: 代表取締役 二宮 一保
事業内容: 電機・電子部品や産業資材を扱う専門商社としての機能と、各種電気設備工事の設計・施工を行う専門工事会社としての機能を併せ持つ複合企業。