「0円から利用可能!最短5分でチケット販売!」という手軽さと、プロのニーズにも応える高機能を両立させ、エンターテインメント業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させる、株式会社teket。NTTドコモの新規事業創出プログラムから生まれた同社の第2期(令和7年3月31日現在)の決算公告が、令和7年6月10日付の官報に掲載されました。急成長を遂げるスタートアップの財務状況と、その事業が持つ大きな可能性、そして今後の成長戦略について分析します。 ![]()

第2期 決算のポイント(単位:百万円)
資産合計: 406 (約4.1億円)
負債合計: 229 (約2.3億円)
純資産合計: 177 (約1.8億円)
当期純損失: 75 (約0.8億円)
今回の決算では、当期純損失として75百万円が計上され、利益剰余金は▲124百万円の欠損状態となっています。しかし、これは2023年10月に設立されたばかりの若いスタートアップ企業が、プラットフォームの機能開発、顧客獲得のためのマーケティング、優秀な人材の採用といった、将来の爆発的な成長に向けた積極的な先行投資を行っている結果と読み解くべきです。資本金と資本剰余金の合計が約3億円に達していることからも、事業を急成長させるための十分な資金を確保していることがうかがえます。
事業内容と今後の展望(考察)
【事業内容の概要】
株式会社teketは、「世界中の夢中をつくる」をミッションに、電子チケット販売・管理プラットフォーム「teket」の企画・開発・運営を行っています。NTTドコモグループの技術連携のもと、あらゆるジャンルのイベント主催者が直面する課題を解決する、イベントDXプラットフォームです。
0円から使える手軽さ:
初期費用・月額費用が一切かからず、無料イベントであれば手数料も0円。誰でも、いつでも、最短5分で本格的なチケット販売ページを作成できる手軽さが最大の特徴です。
プロ仕様の高機能:
簡単な操作性でありながら、その機能はプロの現場で求められるレベルを網羅しています。約400以上のホール座席図に対応し、自由にカスタマイズできる座席指定機能、割引クーポン発行、購入者へのメッセージ一斉送信、流入経路分析、投げ銭(ギフト)機能、外部グッズ販売サイトとの連携まで、イベント運営に必要な全てが揃っています。
あらゆるジャンルをカバー:
クラシックコンサートや音楽ライブ、演劇、スポーツ(日本ハンドボールリーグのオフィシャルパートナー)、自治体イベント、学園祭まで、規模やジャンルを問わず、多様なイベントで導入実績が急増しています。
【財務状況と今後の展望・課題】
第2期決算での赤字計上は、急成長するSaaSプラットフォームビジネスにおける典型的な姿であり、むしろ将来への期待を高めるものです。重要なのは、そのビジネスモデルが市場に受け入れられ、力強く成長しているかという点です。その点で、teketは目覚ましい成果を上げています。
驚異的な成長スピード:
2025年2月時点で、サービス全体の流通総額は30億円、累計利用者数は220万人を突破。この数字は、teketが提供する価値が、多くのイベント主催者と参加者に支持されている何よりの証拠です。
強力なバックボーン:
NTTドコモグループから生まれたという出自は、サービスの信頼性、技術的な安定性、そして今後の事業展開において、計り知れないアドバンテージとなります。実際に、NTTドコモグループの合同入社式でteketが採用されるなど、グループ内でのシナジーも生まれています。
顧客からの高い評価:
タワーレコード、ANA、バッハ・コレギウム・ジャパン、南葛SCといった、各界を代表するトッププレイヤーが導入している事実は、teketの機能性と信頼性の高さを物語っています。
今後の成長戦略としては、この勢いをさらに加速させ、単なるチケット販売ツールから、エンタメ業界全体のインフラへと進化していくことが予想されます。
1.データ活用によるパーソナライゼーションとマーケティング支援
220万人のユーザーが「どのようなイベントに参加したか」というデータは、まさに宝の山です。このデータを活用し、ユーザー一人ひとりにおすすめのイベントを提案するレコメンデーション機能を強化する。あるいは、主催者に対して、「あなたのイベントに興味を持つ可能性が高いのは、こんな人たちです」といったデータに基づいたマーケティング支援サービスを提供する。これにより、主催者・参加者双方にとっての価値を高めることができます。
2.ファンコミュニティ機能の強化
チケット販売を起点として、イベント前からイベント後まで、主催者とファンが継続的に繋がれるコミュニティ機能の拡充が考えられます。限定コンテンツの配信や、ファン同士の交流掲示板などを提供することで、teketを「好きがあふれる世界をつくる」ためのプラットフォームへと進化させていくでしょう。
3.グローバル展開
「世界中の夢中をつくる」というビジョンの通り、日本で成功したビジネスモデルを、成長著しいアジア市場をはじめとする海外へ展開していく可能性も十分にあります。
株式会社teketは、エンターテインメントを愛する全ての人々を支える、強力なプラットフォーマーとして、まさに離陸の時を迎えています。先行投資フェーズにある現在の財務状況は、未来への大きな飛躍に向けた助走に他なりません。日本の、そして世界のエンタメ体験が、teketによってどう変わっていくのか、その挑戦から目が離せません。
企業情報
企業名: 株式会社teket
所在地: 東京都中央区日本橋人形町3丁目12-10
代表者: 島村 奨
事業内容: NTTドコモの新規事業創出プログラムから誕生した、電子チケット販売・管理プラットフォーム「teket」の企画・開発・運営。初期費用0円からの手軽さとプロ仕様の高機能を両立させ、あらゆるイベントのDX化を支援する。