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#584 決算分析 : アップセルテクノロジィーズ株式会社 第21期決算 当期純利益 ▲40百万円

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アップセルテクノロジィーズ株式会社の第21期の決算公告が、令和7年2月14日付の官報に掲載されましたので、その概要と事業の状況をピックアップします。

20240930_21_アップセルテクノロジィーズ決算

第21期 決算のポイント(単位:百万円)
資産合計: 1,932百万円 (約19.3億円)
負債合計: 1,634百万円 (約16.3億円)
純資産合計: 298百万円 (約3.0億円)
当期純損失: 40百万円 (約0.4億円)


今回の決算では、当期純損失として40百万円(約0.4億円)が計上されました。資産合計は約19.3億円、負債合計は約16.3億円で、純資産合計は約3.0億円です。利益剰余金は72百万円のプラスを維持しており、財務の健全性は保たれています。

 

事業内容と今後の展望(考察)


【事業内容の概要】

アップセルテクノロジィーズ株式会社は、2003年の創業から続くインサイドセールス・コールセンター事業を基盤に、「世界中の声をAIで科学する」というミッションのもと、AIテクノロジー企業への変革を加速させています。

 

AIソリューション事業(PUT事業): 独自開発のAIエンジン「PUT」を核として、人間らしい対話を目指す「和製AIオペレーター」や、20年以上のノウハウを凝縮したAI搭載型クラウドコールシステム「UPSELL CLOUD」を開発・提供しています。


インサイドセールス事業: 通販特化型(BtoC)や法人向け(BtoB)の営業代行サービスを展開。累計8,200社の実績を誇るコールセンター運営能力とAIを融合させ、顧客の売上・利益向上に直結するソリューションを提供します。


多角的なBPOサービス: 従来のコールセンター事業に加え、フィリピン拠点を活用した多言語対応や、旅行業に特化したトラベルエージェント事業など、幅広い業務プロセスのアウトソーシングに対応しています。


【財務状況と今後の展望・課題】

第21期決算で40百万円の当期純損失を計上した背景には、同社が事業の主軸を従来の労働集約的なモデルから、AIを駆使したテクノロジー主導の事業へと転換するための戦略的な先行投資があると強く推察されます。現状の損失は、特に独自AIエンジン「PUT」や2025年4月に正式販売を開始するAIオペレーター「miraio」への開発投資、そして2024年に行われたM&A(スリーコール株式会社、ダーウィンズグループ)に関連する費用が影響していると考えられます。貸借対照表において、固定資産が資産合計の約半分(9.5億円)を占めている点も、ソフトウェアなどの無形資産への積極的な投資を示唆しています。

 

利益剰余金はプラスを維持しており、今回の損失は事業ポートフォリオを未来志向のAI事業へシフトさせるための、いわば「産みの苦しみ」と捉えることができます。人手不足が社会問題化する中で、営業や顧客対応をAIで効率化する同社のサービスは、市場からの強い需要が見込まれます。長年のコールセンター運営で培った現場の知見(VOC:顧客の声)をAI開発に活かせる点が、同社の最大の競争優位性です。

 

今後のマイルストーンとしては、AIオペレーター「miraio」の市場投入を成功させ、新たな収益の柱として確立することが最重要となります。既存のインサイドセールス事業の顧客基盤に対し、AIソリューションをクロスセルしていくことで、事業間のシナジーを最大化していく戦略が考えられます。

 

アップセルテクノロジィーズが、この戦略的投資フェーズを経て、人とAIが協働する新しい営業・顧客対応の形を社会に提供するリーディングカンパニーへと飛躍できるか、その動向に注目が集まります。

 

企業情報
企業名: アップセルテクノロジィーズ株式会社
所在地: 東京都豊島区西池袋5-26-19 陸王西池袋ビル6階
代表者: 代表取締役会長CEO 高橋 良太
事業内容: 20年以上の実績を持つコールセンター事業を基盤に、「世界中の声をAIで科学する」というミッションのもと、独自AIオペレーターやクラウドコールシステムなどを開発・提供するテクノロジー企業。

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