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#585 決算分析 : 株式会社Legaseed 第12期決算 当期純利益 54百万円

株式会社Legaseedの第12期の決算公告が、令和6年12月26日付の官報に掲載されましたので、その概要と事業の状況をピックアップします。

20240930_12_Legaseed決算

第12期 決算のポイント(単位:百万円)
資産合計: 1,861百万円 (約18.6億円)
負債合計: 1,484百万円 (約14.8億円)
純資産合計: 377百万円 (約3.8億円)
当期純利益: 54百万円 (約0.5億円)


今回の決算では、当期純利益として54百万円(約0.5億円)が計上されました。資産合計は約18.6億円、純資産合計は約3.8億円です。利益剰余金は依然としてマイナス(▲81百万円)ですが、当期純利益の計上によりマイナス幅は縮小しており、豊富な資本剰余金によって純資産はプラスを確保しています。

 

事業内容と今後の展望(考察)


【事業内容の概要】

株式会社Legaseedは、「はたらくを、しあわせに。」をミッションに掲げ、企業の成長とそこで働く人々の幸福を両立させるための事業を多角的に展開しています。

 

人材採用・組織コンサルティング: 企業の採用戦略立案から人材育成、組織開発、理念浸透のためのコーポレートブランディングまでを一気通貫で支援。500社以上の支援実績と89.3%という高いコンサルティング継続率が、その提供価値の高さを物語っています。


HRテクノロジー事業: 採用業務の効率化と候補者体験(CX)を向上させる自社開発のCXクラウドSaaS)や、国内最大級の長期インターン求人メディアを開発・提供。テクノロジーの力で採用の課題を解決します。


独自性の高いサービス: 経営理念の言語化や経営計画手帳の制作といった、企業の根幹を支えるユニークなサービスも手掛け、他社との明確な差別化を図っています。


【財務状況と今後の展望・課題】

第12期決算で54百万円の当期純利益を計上したことは、同社の事業が安定的な収益を生み出すフェーズに入ったことを示しています。この背景には、主力である人材採用コンサルティング事業の安定した需要に加え、HRテクノロジー事業が新たな収益源として成長し、収益構造の多角化に寄与していることが推察されます。貸借対照表において、固定資産が資産全体の4割以上(約8.1億円)を占めている点は、自社開発SaaSなどのソフトウェア資産へ継続的な投資を行ってきた証左と言えるでしょう。

 

少子高齢化による労働力不足が深刻化する日本社会において、人材の採用・育成・定着はあらゆる企業にとって最重要課題です。Legaseedは、この社会的課題に対し、コンサルティングという「人」によるウェットな価値と、テクノロジーという「仕組み」によるドライな価値を両輪で提供できるユニークなポジションを築いています。これが同社の最大の強みです。

 

現状の課題としては、利益剰余金のマイナスを解消し、さらに強固な財務基盤を構築することが挙げられます。過去の戦略的投資の成果として黒字化は達成しましたが、今後もHRテック市場の激しい競争の中で優位性を保つため、継続的なプロダクト開発が求められます。

 

今後の戦略としては、コンサルティングで築いた顧客基盤に対し、HRテクノロジープロダクトをクロスセルしていくことで、顧客単価(LTV)をさらに向上させることが中心となるでしょう。コンサルティングとテクノロジーシナジーを最大化することで、「はたらく」の価値を再定義するリーディングカンパニーへと飛躍することが期待されます。

 

企業情報
企業名: 株式会社Legaseed
所在地: 東京都港区港南2-16-3
代表者: 近藤 悦康
事業内容: 「はたらくを、しあわせに。」をミッションに、人材採用・組織開発のコンサルティングと、自社開発のHRテクノロジーSaaS)を両輪で展開。企業の成長と働く人の幸福を支援する。

www.legaseed.co.jp

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