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#7010 決算分析 : 株式会社ラフトシステム 第30期決算 当期純利益 9百万円


私たちの生活やビジネスのあらゆる場面で利用されているITシステムは、利便性を高めるだけでなく、企業の競争力を左右する重要なインフラとなっています。その裏側では、システムの設計や開発、運用保守を担う技術者の存在が欠かせません。企業のDXが加速し、IT投資が拡大する中、その役割はますます大きくなっています。

今回取り上げる株式会社ラフトシステムは、東京・神田を拠点にシステム開発やインフラ構築、ITコンサルティングまで幅広く手掛ける企業です。創業から30年を迎え、現在はヘルスメッド株式会社(DSヘルスケアグループ)の一員として、医療・介護分野のシステム需要にも対応する体制を整えています。本記事では、第30期決算の内容を踏まえながら、同社の事業構造や財務状況、今後の戦略について読み解いていきます。

ラフトシステム決算

【決算ハイライト(第30期)】
資産合計: 166百万円 (約1.6億円)
負債合計: 151百万円 (約1.5億円)
純資産合計: 15百万円 (約0.1億円)

当期純利益: 9百万円 (約0.1億円)
自己資本比率: 約9.2%
利益剰余金: ▲4百万円 (約▲0.0億円)

【ひとこと】
当期純利益9百万円を確保し、黒字で決算を締めている点は大きなポイントです。利益剰余金は▲4百万円とマイナスが残るものの、黒字化によって累積損失の解消が確実に進んでいます。自己資本比率は約9.2%と低い水準で、財務基盤の強さには課題があるように見えますが、流動資産が厚く、さらに親会社であるDSヘルスケアグループの信用補完が存在するため、実質的な経営リスクは限定的と言えます。事業再編を進める中でも一定の収益を維持し、安定的に事業が運営されていることが数字から読み取れます。

【企業概要】
企業名: 株式会社ラフトシステム
設立: 1995年10月
株主: ヘルスメッド株式会社(51.4%)、デンタルサポート株式会社(42.8%)
事業内容: システム開発、ITインフラ構築、ITコンサルティング、運用・保守

www.raft.co.jp


【事業構造の徹底解剖】
✔ITシステム開発事業
基幹システムから通信キャリア向け料金システム、官公庁の金融系システムなど、多様な開発プロジェクトを手掛けています。上流工程を含め一貫対応できる体制が強みです。

✔ITインフラ構築事業
サーバーやネットワークの設計構築を担当し、オンプレミスからクラウドまで広範囲に対応します。インフラの安定稼働を支える技術力が評価され、継続的な案件獲得につながっています。

✔運用・保守・ヘルプデスク事業
導入後の保守や運用、問い合わせ対応などを行い、顧客企業のIT部門の負荷を軽減します。ストック型収入として安定した収益基盤の構築に寄与しています。

✔ITコンサルティング事業
PMO支援や課題整理、改善提案など、開発・構築に限らない価値提供を行っています。顧客の上流業務に踏み込むことで、継続的な関係構築を実現しています。


【財務状況等から見る経営戦略】
✔外部環境
DX投資が本格化し、システム開発クラウド移行の需要は底堅く推移しています。一方で、エンジニア不足が深刻化しており、技術者確保の難易度は高まり続けています。案件の複雑化や短納期化も進み、IT企業にとって品質と効率の両立が問われる環境になっています。

✔内部環境
総資産の大部分が流動資産であり、人材を基盤とする事業構造が鮮明です。利益剰余金がマイナスである点は課題ですが、黒字化により解消が進んでおり、安定した利益創出の体制が整いつつあります。43名規模の組織としては、収益力を維持している点が評価できます。

✔安全性分析
自己資本比率約9.2%は低水準ですが、流動比率は約204%と高く、短期的な支払い能力には全く問題がありません。さらに、親会社の信用力により融資や案件面で支援を受けられる可能性が高く、独立系企業とは異なる安定性を持っています。


SWOT分析で見る事業環境】
✔強み
・官公庁や通信キャリアなどの実績豊富な取引基盤
・上流から保守まで対応可能な技術力
・グループ入りによる経営・信用面での安定性

✔弱み
・利益剰余金がマイナスで自己資本が薄い構造
・社員数が43名と小規模で、大規模案件には制約がある
・労働集約型で稼働率に収益が依存する点

✔機会
・医療・介護領域のDX需要拡大
クラウド化やセキュリティ強化需要の高まり
・法改正やデジタル化に伴うシステム改修需要

✔脅威
・エンジニア不足と人件費高騰
・大手SIerや海外開発企業との競争激化
・技術革新への継続的な対応負荷


【今後の戦略として想像すること】
✔短期的戦略
最優先は黒字の継続と累積損失の解消だと考えます。グループ内の医療・介護事業のシステム開発を取り込み、安定した案件獲得につなげる可能性があります。また、運用保守などのストックビジネスを強化し、収益基盤の安定化を図ると考えます。

✔中長期的戦略
医療・介護領域を中心とした「ヘルスケアITの専門企業」としてのブランド確立を目指すと考えます。電子カルテ連携や遠隔医療など、独自ソリューションの開発により、受託型からプロダクト型ビジネスへの転換を進める可能性があります。


【まとめ】
株式会社ラフトシステムは、30年の実績を持つIT企業として、確かな技術力と顧客基盤を築いてきました。グループ入りにより医療・介護領域の案件獲得も見込め、事業領域の拡大が期待されます。第30期は黒字を確保し、累積損失の解消に向けた前進が見られました。財務基盤の強化は今後の課題ながら、流動性は高く、親会社の支援も期待できるため、安定性は確保されています。今後はヘルスケア分野に特化したソリューション展開など、次の成長ステージが視野に入ってくるでしょう。事業基盤の強化と独自性の確立により、持続的成長が期待されます。


【企業情報】
企業名: 株式会社ラフトシステム
所在地: 東京都千代田区神田錦町1-13 大手町宝栄ビル701号
代表者: 代表取締役会長 藤代賢一 / 代表取締役社長 市原雄爾
設立: 1995年10月
資本金: 2,750万円
事業内容: システム開発、ITインフラ構築、ITコンサルティング
株主: ヘルスメッド株式会社(51.4%)、デンタルサポート株式会社(42.8%)等

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