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#3381 決算分析 : にいがた舗道株式会社 第36期決算 当期純利益 72百万円


私たちが毎日何気なく利用している道路。滑らかで安全なアスファルトの路面は、日々の暮らしや経済活動に不可欠な社会基盤ですが、それは決して永遠のものではありません。特に、厳しい冬には大雪や凍結に見舞われる雪国・新潟において、道路を常に良好な状態に保つことは、県民の安全な生活を守るための最重要課題の一つです。その地道ながらも極めて重要な役割を、専門技術をもって担っている企業があります。

今回は、新潟県全域を舞台に、地域の「道づくり」を一手に担う舗装工事のプロフェッショナル集団、にいがた舗道株式会社の決算を読み解き、地域社会の足元を支える堅実なビジネスと、その強固な経営基盤に迫ります。

にいがた舗道決算

【決算ハイライト(第36期)】
資産合計: 788百万円 (約7.9億円)
負債合計: 375百万円 (約3.8億円)
純資産合計: 413百万円 (約4.1億円)
当期純利益: 72百万円 (約0.7億円)
自己資本比率: 約52.4%
利益剰余金: 393百万円 (約3.9億円)

【ひとこと】
まず注目すべきは、自己資本比率が52.4%と極めて高く、盤石な財務基盤を築いている点です。資本金2,000万円に対し、その約20倍にも達する利益剰余金を蓄積しており、長年にわたり安定した黒字経営を続けてきたことがうかがえます。地域インフラを支える企業の、揺るぎない安定感が際立っています。

【企業概要】
社名: にいがた舗道株式会社
設立: 1989年
事業内容: 新潟県全域を事業エリアとする舗装工事専門の建設会社。国や県、市町村が発注する公共工事を主体に、地域の道路インフラの整備・新設・維持管理を担う。

www.niigata-hodo.co.jp


【事業構造の徹底解剖】
同社の事業は、その社名が示す通り「舗装工事を中心とした土木工事業」に集約されます。その事業構造は、新潟県の地域特性と建設業界の動向を的確に捉えた、堅実で強固なものとなっています。

✔公共事業を主体とする安定した事業基盤
ウェブサイトに記載されている主要取引先は、国土交通省新潟県新潟市といった官公庁が筆頭に挙げられています。これは、同社の事業の大部分が、国や自治体から発注される公共工事であることを示しています。公共工事は、景気変動の影響を受けにくく、安定した受注が見込めるため、極めて堅固な事業基盤となります。道路の新設工事はもちろん、近年重要性が増している既存道路の補修・修繕工事が、事業の大きな柱になっていると推測されます。

新潟県全域をカバーする地域密着のネットワーク
本社を置く新潟市に加え、中越(長岡)、小千谷刈羽上越、さらには佐渡島に至るまで、県内6ヵ所に営業所・事業所を展開しています。この広範なネットワークにより、新潟県の隅々まで、地域ごとの細かなニーズや現場状況に迅速に対応できる体制を構築しています。まさに「新潟の道のことなら、どこでも任せられる」という、地域に根差した信頼の証です。

✔有資格者が支える高い技術力と品質
従業員数50名という組織規模に対し、1級土木施工管理技士が12名、1級舗装施工管理技術者が4名在籍するなど、国家資格を持つ技術者の比率が非常に高いのが特徴です。これは、公共工事の入札において技術力が厳しく評価される中で、同社が高い競争力を持っていることを物語っています。「確かな技術と情熱で、夢や可能性を形ある物に創造する」という企業理念を、まさに技術者たちが体現しているのです。


【財務状況等から見る経営戦略】
✔外部環境
「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」など、政府による公共投資は底堅く推移しており、同社の事業環境は比較的安定しています。特に、高度経済成長期に整備されたインフラの老朽化が全国的な課題となる中、道路の維持管理・更新需要は今後も継続的に見込まれます。一方で、建設業界全体としては、アスファルト合材などの資材価格の高騰や、深刻な人手不足、そして担い手の高齢化といった構造的な課題に直面しています。

✔内部環境
当期72百万円の純利益を確保していることは、公共事業を主体とするビジネスモデルが安定的に機能していることを示しています。自己資本比率52.4%という盤石の財務基盤は、工事代金の入金サイトが比較的長い公共事業の特性にも、余裕をもって対応できる体力を有していることを意味します。また、SDGsへの取り組みとして「ICT建機を使用した工事件数の増加」を目標に掲げている点も重要です。これは、建設業界の課題である生産性向上と人手不足への対応を、デジタルの力で解決しようという先進的な姿勢の表れです。

✔安全性分析
自己資本比率が50%を大きく超えており、財務の安全性は「極めて高い」と断言できます。短期的な支払い能力を示す流動比率流動資産÷流動負債)も約219%(7.5億円 ÷ 3.4億円)と、安全の目安である100%をはるかに上回っており、資金繰りにも全く不安がありません。設立以来、着実に積み上げてきた約3.9億円の利益剰余金は、長期にわたる安定経営の何よりの証拠であり、企業の継続性に対するリスクは非常に低いと言えるでしょう。


SWOT分析で見る事業環境】
強み (Strengths)
・国や県、市を主要顧客とする、極めて安定した公共事業の受注基盤
・多数の国家資格保有者が証明する、高い技術力と施工品質
自己資本比率52.4%を誇る、盤石で安定した財務基盤
新潟県全域を網羅し、地域に深く根差した事業ネットワーク

弱み (Weaknesses)
・事業の大部分を公共事業に依存しているため、国の財政政策や予算編成の方針転換がリスクとなり得る
・建設業界に共通する、若手人材の確保と次世代への技術継承という課題

機会 (Opportunities)
・国土強靭化計画の推進に伴う、インフラの補修・維持管理市場の継続的な拡大
・ICT建機の導入をはじめとする、建設DX(デジタルトランスフォーメーション)による生産性の飛躍的な向上
・防災・減災対策や、豪雪地帯特有の雪害対策など、地域の安全を守る工事へのニーズ増加

脅威 (Threats)
アスファルト合材をはじめとする、建設資材価格の継続的な高騰による利益の圧迫
・建設業界全体で深刻化する、若手入職者の減少と、熟練技術者の高齢化
公共工事入札における、同業他社との価格競争の激化


【今後の戦略として想像すること】
「基盤の強化」と「未来への投資」を両輪で進め、持続的な成長を目指していくと考えられます。

✔短期的戦略
これまで通り、強みである公共の舗装工事分野において、高い技術力を武器に受注を確実に確保し、安定した収益基盤を維持・強化していくことが中心となります。同時に、SDGs宣言にもある通り、ICT建機の導入をさらに加速させ、人手不足に対応しつつ、施工の精度と安全性を高め、生産性の向上を図ります。また、資格取得支援制度などを通じて、継続的な人材育成にも注力し、技術者集団としての優位性をさらに盤石なものにしていくでしょう。

✔中長期的戦略
舗装工事で培った技術と、県内全域に広がるネットワークを活かし、周辺領域へと事業を拡大していく可能性があります。例えば、民間企業の工場構内や大規模商業施設の駐車場舗装、再生アスファルトの活用といった環境配慮型の舗装技術の開発などです。将来的には、舗装以外の土木工事分野(例えば、上下水道の整備や河川の護岸工事など)へ事業領域を広げ、より総合的な建設会社へと進化していくことも視野に入ってくるかもしれません。


【まとめ】
にいがた舗道株式会社は、単なる道路工事の会社ではありません。それは、雪国・新潟の暮らしと経済活動に不可欠な「道」という社会基盤を、その足元から支え、守り続ける「地域の守護神」です。公共事業を主体とする安定したビジネスモデル、自己資本比率52.4%という盤石の財務基盤、そして多数の有資格者が証明する高い技術力を強みとしています。「わたしたちは誠実な事業運営をもって、地域社会に対し融和と貢献を行います」という会社方針の通り、これからも新潟の安全・安心な道づくりを通じて、地域社会に貢献し続けることが期待されます。


【企業情報】
企業名: にいがた舗道株式会社
所在地: 新潟県新潟市東区南紫竹1丁目3番18号
代表者: 石附 忠孝
設立: 1989年4月
資本金: 2,000万円
事業内容: 舗装工事を中心とする土木工事業。国、新潟県新潟市などの官公庁を主要取引先とし、新潟県全域の道路インフラ整備・維持を担う。

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