「営業がうまくいかない」「良い人材が採用・育成できない」。これは、多くの企業が抱える根源的な悩みです。世の中には数多のコンサルティング会社が存在しますが、「理論は立派だが、実践的ではない」と感じた経験はないでしょうか。そんな中、自社の事業で成果実証済みの「生きたノウハウ」だけを提供し、顧客と肩を並べて走る「実践併走型」というスタイルで急成長を遂げる企業があります。
今回は、営業と人事という企業の二大エンジンを、自らの成功体験を武器に支援する、株式会社CONSCIENCE(コンサイエンス)の決算を読み解き、その高い収益性と強さの秘密に迫ります。

【決算ハイライト(17期)】
資産合計: 2,477百万円 (約24.8億円)
負債合計: 1,179百万円 (約11.8億円)
純資産合計: 1,298百万円 (約13.0億円)
当期純利益: 411百万円 (約4.1億円)
自己資本比率: 約52.4%
利益剰余金: 1,238百万円 (約12.4億円)
【ひとこと】
純資産13億円に対し、当期純利益が4.1億円と、極めて高い収益性を誇ります。自己資本比率も52.4%と盤石で、財務の安定性も傑出しています。事業の成長性と健全な財務基盤を両立させており、まさに優良企業の鑑とも言える、力強い決算内容です。
【企業概要】
社名: 株式会社CONSCIENCE
設立: 2008年(創業)
事業内容: 営業支援(セールスコンサルティング)、人事支援(HRコンサルティング)
【事業構造の徹底解剖】
同社のビジネスは、机上の空論ではない、自社の成功体験に基づいた「実践併走型」のコンサルティングです。自社で試行錯誤し、成果が出た手法のみを体系化して、顧客企業の事業成長を支援しています。その事業は、企業の成長に不可欠な2つの領域に特化しています。
✔営業支援(セールスコンサルティング)
同社の祖業とも言えるのが、通信営業などで培ったセールスノウハウを体系化した営業支援事業です。単なる戦略設計にとどまらず、見込み客の獲得から、実際の営業プロセスのマネジメント、さらには顧客の成功を支援するカスタマーサクセスまでを包括的にサポートします。労働者派遣事業の許認可も保有しており、ノウハウの提供だけでなく、実行部隊となる人材の提供まで可能な点が大きな強みです。
✔人事支援(HRコンサルティング)
優れた営業組織には、優れた人材が不可欠です。同社は、自社が300人規模の組織へと成長する過程で確立した、採用・育成のノウハウをサービス化。採用ブランディングや母集団形成、選考プロセスの改善から、内定者・管理職研修、組織開発まで、人事のあらゆる課題に対応します。こちらも有料職業紹介事業の許認可を持ち、採用の実務まで深くコミットできる体制を整えています。
✔「実践」から生まれる独自の好循環モデル
同社の最大の独自性は、「自社事業にて実証実験」を行い、そこで得た「生きたナレッジ」を顧客に還元させる点にあります。コンサルティングの現場で得た課題を自社で試し、その成功事例を再びコンサルティングサービスに反映させる。この好循環が、常に実践的で価値の高いサービスを生み出し続ける原動力となっています。
【財務状況等から見る経営戦略】
✔外部環境
企業の競争が激化する現代において、営業力の強化と、優秀な人材の獲得・育成は、あらゆる業界に共通する永遠のテーマです。特に、成果に直結する実践的なノウハウへの需要は非常に高く、同社が事業を展開する市場は、景気の波に左右されにくい安定した成長が見込めます。
✔内部環境
同社のビジネスは、優秀なコンサルタントという「人」が最大の資産となる、労働集約型のサービス業です。貸借対照表も、その特徴を如実に表しており、工場や設備といった固定資産は少なく、資産の大部分(約96%)を現金や売掛金などの流動資産が占めています。高い利益率を維持できているのは、自社で実証済みの独自ノウハウという、他社にはない付加価値を提供できているからに他なりません。
✔安全性分析
財務の安全性は極めて高い水準にあります。自己資本比率が52.4%と過半を超えており、安定した経営基盤を築いています。短期的な支払い能力を示す流動比率(流動資産÷流動負債)も約310%(23.8億円 ÷ 7.7億円)と非常に高く、資金繰りに関する懸念は全くありません。12億円を超える利益剰余金は、これまでの着実な利益の蓄積の証であり、今後の事業拡大や新規事業への投資を、自己資金で十分に賄えるだけの体力を有していることを示しています。
【SWOT分析で見る事業環境】
強み (Strengths)
・自社での成功体験に基づく、実践的で説得力の高いコンサルティング手法
・「営業」と「人事」という、企業の根幹を成す領域を両輪で支援できる
・当期純利益4.1億円という高い収益性と、自己資本比率52%超の盤石な財務基盤
・労働者派遣と職業紹介の両方の許認可を持ち、提案から実行まで一気通貫で支援可能
弱み (Weaknesses)
・事業の成長が、優秀なコンサルタントの採用と育成のペースに依存する
・大手コンサルティングファームと比較すると、ブランドの知名度が限定的
機会 (Opportunities)
・HR Techやセールステック市場の拡大に伴う、専門的なコンサルティングニーズの増加
・実践的な研修プログラムをオンライン化・パッケージ化することによる、事業のスケールアップ
・M&Aによる、新たなコンサルティング領域(例:マーケティング、財務)への進出
脅威 (Threats)
・コンサルティング業界や人材業界における、競争の激化
・景気後退局面における、企業のコンサルティング・採用予算の削減
・事業規模拡大に伴う、コンサルティングサービスの品質維持の難しさ
【今後の戦略として想像すること】
高い収益性と安定した財務基盤を持つ同社は、どのような成長戦略を描くのでしょうか。
✔短期的戦略
既存の営業支援・人事支援事業において、対応できる業界や顧客の層をさらに広げ、事業規模を拡大していくことが基本戦略となります。そのために、事業の核となる優秀なコンサルタントの採用と育成に、引き続き最優先で取り組んでいくでしょう。
✔中長期的戦略
その盤石な財務力を活かし、新たな領域への展開が期待されます。例えば、これまでのコンサルティングで蓄積したノウハウを、SaaS型のソフトウェアやオンライン教育プラットフォームとして開発・提供することで、労働集約型モデルからの多角化を図る可能性があります。また、親和性の高い事業を持つ企業をM&Aすることで、提供できるソリューションの幅を広げ、非連続的な成長を目指すことも十分に考えられます。
【まとめ】
株式会社CONSCIENCEは、「言うは易く行うは難し」というビジネスの世界で、徹底して「行う」ことにこだわり、その実践知をもって顧客を成功に導く、新時代のコンサルティングファームです。自らを実験台として磨き上げた「営業」と「人事」のノウハウは、多くの企業の成長を加速させる強力なエンジンとなっています。
決算書に示された4.1億円という純利益と、52%を超える自己資本比率は、その独自性の高いビジネスモデルが、いかに市場から強く支持され、かつ持続可能であるかを物語っています。机上の空論ではなく、汗と成功体験に裏打ちされた「生きた知恵」で、これからも多くの企業と共に走り、成長を共創していくことでしょう。
【企業情報】
企業名: 株式会社CONSCIENCE
所在地: 東京都港区麻布台1-7-3 VORT神谷町Ⅱ 8階
代表者: 金島 俊行
設立: 2008年(創業)
資本金: 5,000万円
事業内容: 営業支援(セールスコンサルティング)、人事支援(HRコンサルティング)、一般労働者派遣事業、有料職業紹介事業