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#4252 決算分析 : 広建コンサルタンツ株式会社 第47期決算 当期純利益 275百万円


私たちが安全で快適な日々を送るために不可欠な、道路、橋、河川、そして電気や水道といった社会インフラ。これらの社会基盤は、計画、調査、設計、維持管理といった無数の専門的なプロセスを経て創り出されています。その頭脳とも言える役割を担っているのが「建設コンサルタント」です。彼らの知見と技術なくして、私たちの暮らしは成り立ちません。

今回は、広島県福山市に拠点を置き、昭和41年の創業以来、半世紀以上にわたって地域社会の発展を支えてきた総合建設コンサルタント、広建コンサルタンツ株式会社の決算を読み解きます。業界最大手・CTIグループの一員でありながら、驚異的な財務健全性を誇る同社の強さの秘密と、未来の社会づくりに向けた戦略に迫ります。

広建コンサルタンツ決算

【決算ハイライト(第47期)】
資産合計: 3,353百万円 (約33.5億円)
負債合計: 478百万円 (約4.8億円)
純資産合計: 2,874百万円 (約28.7億円)

当期純利益: 275百万円 (約2.8億円)

自己資本比率: 約85.7%
利益剰余金: 2,865百万円 (約28.7億円)

【ひとこと】
まず注目すべきは、自己資本比率が85.7%という極めて高い水準にあることです。これは実質的な無借金経営を意味し、盤石の財務基盤を物語っています。約28.7億円という潤沢な純資産を背景に、2.7億円を超える当期純利益を計上しており、地域に根差した事業でありながら、傑出した収益性と安定性を兼ね備えている点が最大の特長です。

【企業概要】
社名: 広建コンサルタンツ株式会社
設立: 1966年創業
株主: 株式会社建設技術研究所CTI)グループ
事業内容: 建設コンサルタント、測量調査、補償コンサルタント、地質調査、ICT事業など

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【事業構造の徹底解剖】
広建コンサルタンツの事業は、官公庁が発注する公共事業を支える「社会資本整備事業」を主軸としながら、民間企業の多様なニーズに応える「民間向け事業」、そして最先端技術で業界をリードする「ICT事業」の3つの柱で構成されています。

✔社会資本整備事業
同社の根幹を成す事業領域です。道路や河川、橋梁などのインフラ整備プロジェクトにおいて、計画・設計を担う「建設コンサルタント」、事業の基礎となる土地の形状や位置を正確に測る「測量調査」、公共事業に伴う用地取得などを円滑に進める「補償コンサルタント」、そして構造物の安全性を支える地盤を調べる「地質調査」の4部門が有機的に連携。プロジェクトの上流から下流までをワンストップで支援する総合力が強みです。

✔民間向け事業
公共事業で培った高度な技術力とノウハウを、民間企業の事業展開にも活かしています。産業廃棄物最終処分場の計画・設計、商業施設や工場の造成計画、土壌汚染調査など、企業のコンプライアンス遵守や持続可能な事業活動を専門家の視点からサポートしています。

✔ICT事業
同社の未来の成長を牽引する戦略的事業です。UAV(ドローン)や3Dレーザースキャナ、マルチビーム音響測深機といった最新鋭の機器を駆使し、測量・調査・設計業務の劇的な効率化と高度化を実現しています。これにより、従来は困難だった広範囲・高精度の3次元データを迅速に取得し、防災・減災計画やインフラの老朽化診断などに活用しています。


【財務状況等から見る経営戦略】
✔外部環境
近年、頻発・激甚化する自然災害への対策として「国土強靭化」が国家的な課題となっており、防災・減災関連の公共事業は建設コンサルタント業界にとって安定した需要源となっています。また、高度経済成長期に建設されたインフラが一斉に老朽化の時期を迎えており、その点検・診断・補修といった維持管理市場は今後ますます拡大していくことが確実視されています。

✔内部環境
同社の最大の強みの一つは、建設コンサルタント業界のリーディングカンパニーであるCTI(株式会社建設技術研究所)グループの一員であることです。これにより、最新技術やノウハウの共有、大規模プロジェクトへの参画機会、人材交流など、多岐にわたる恩恵を享受し、地域に根ざしながらも全国レベルの高い技術力を維持しています。また、コンサルティングという労働集約型のビジネスにおいて、有資格者をはじめとする優秀な技術者の存在が競争力の源泉となっています。

✔安全性分析
自己資本比率85.7%という数値は、企業の財務安全性の理想形の一つと言えます。負債が極めて少なく、事業活動から得た利益を投機的な活動に回すことなく、利益剰余金(約28.7億円)として着実に内部に蓄積してきた堅実経営の賜物です。この盤石な財務基盤があるからこそ、金融機関に依存することなく、ドローンや3Dレーザースキャナといった高額な最新ICT機器への投資を、自己資金で迅速かつ機動的に行うことができます。これが「技術力への投資」→「生産性・競争力の向上」→「高収益の実現」→「さらなる内部留保の蓄積」という強力な好循環を生み出しています。


SWOT分析で見る事業環境】
強み (Strengths)

自己資本比率85.7%という盤石の財務基盤と実質無借金経営

CTIグループとしての高い信用力と技術的な連携体制

・公共から民間まで対応する多角的な事業領域

・ドローン等を活用した先進的なICT技術の導入と豊富な実績

弱み (Weaknesses)

・公共事業への依存度が高く、国の予算動向に業績が左右されやすい

・事業エリアが中国地方中心であり、地理的に限定されている

機会 (Opportunities)

・国土強靭化計画、防災・減災、インフラ老朽化対策といった継続的な社会的ニーズ

・i-Construction(建設業界のDX)推進によるICT活用市場の拡大

・民間企業の環境対策や開発コンサルティング需要の増加

脅威 (Threats)

・公共事業費の将来的な削減リスク

・同業他社との技術・価格競争の激化

・業界全体における技術者の高齢化と若手人材の確保難


【今後の戦略として想像すること】
盤石な経営基盤と先進技術を武器に、同社はさらなる飛躍を目指すでしょう。

✔短期的戦略
ICT事業のさらなる強化が急務です。ドローンや3Dデータを活用した業務範囲を、従来の測量・設計だけでなく、インフラの点検・診断、施工管理支援、災害状況の迅速な把握といった「維持管理」「防災」の領域へと積極的に拡大していくと考えられます。これにより、サービスの付加価値を一層高めていくでしょう。

✔中長期的戦略
「インフラ維持管理」市場への本格的な展開が予想されます。ICT技術で取得した3次元データとAI解析を組み合わせ、インフラの劣化予測や最適な補修計画を提案するアセットマネジメント事業は、今後の大きな収益の柱となり得ます。また、地域密着の強みを活かし、自治体向けの「スマートシティ」構築支援や、再生可能エネルギー施設の立地計画など、新たなコンサルティング領域を開拓していく可能性も秘めています。


【まとめ】
広建コンサルタンツ株式会社は、広島県福山市から、地域の安全・安心な暮らしを技術で支える縁の下の力持ちです。特筆すべきは、自己資本比率85.7%という鉄壁の財務基盤。長年の堅実経営で蓄えた資本を、ドローンなどの先進ICT技術へ果敢に投資し、未来の成長エンジンを育てるという好循環を確立しています。CTIグループの一員という強みも活かし、安定した事業基盤の上で高い収益を実現する様は、地方企業の理想的なモデルケースと言えるかもしれません。国土強靭化やインフラ老朽化対策という大きな社会課題に対し、同社の技術力、特にICT事業が果たす役割は、今後ますます重要になっていくことでしょう。


【企業情報】
企業名: 広建コンサルタンツ株式会社
所在地: 広島県福山市川口町一丁目7番3号
代表者: 代表取締役 ⼩瀧 訓⼀
設立: 1966年創業
資本金: 1,000万円
事業内容: 社会資本整備事業(建設コンサルタント、測量調査、補償コンサルタント、地質調査)、民間向け事業(廃棄物関連、店舗・造成、土壌調査)、ICT事業
株主: 株式会社建設技術研究所CTI)グループ

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