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#3987 決算分析 : 日本インフラマネジメント株式会社 第45期決算 当期純利益 236百万円

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私たちが毎日何気なく利用する道路や橋、河川の堤防。これらの社会インフラは、建設会社が造る前に、まず専門家による綿密な調査・測量・設計が行われています。この、いわば社会インフラの「設計図」を描く頭脳集団が、「建設コンサルタント」です。今回は、岡山を拠点に、西日本の社会基盤整備を担う建設コンサルタントであり、業界大手のE・Jホールディングスグループの中核企業でもある、日本インフラマネジメント株式会社の決算を読み解き、その卓越した専門性と、驚異的な財務健全性に迫ります。

日本インフラマネジメント決算

【決算ハイライト(45期)】
資産合計: 1,623百万円 (約16.2億円)
負債合計: 312百万円 (約3.1億円)
純資産合計: 1,310百万円 (約13.1億円)

当期純利益: 236百万円 (約2.4億円)

自己資本比率: 約80.7%
利益剰余金: 1,188百万円 (約11.9億円)

【ひとこと】
自己資本比率が約80.7%という、極めて高い財務健全性が最大の特徴です。実質的な無借金経営で、財務基盤は鉄壁と言えます。約12億円という巨額の利益剰余金を背景に、当期も2.4億円近い純利益を計上しており、専門性の高い分野で圧倒的な収益力を誇る、傑出した優良企業です。

【企業概要】
社名: 日本インフラマネジメント株式会社
創業: 1980年7月1日
株主: E・Jホールディングス株式会社 (東証プライム上場)
事業内容: 岡山を拠点とする総合建設コンサルタント。道路、河川、橋梁等の調査・設計、測量・補償、地質調査、インフラDX、及び技術者派遣・紹介事業。

www.ej-jimco.co.jp


【事業構造の徹底解剖】
同社の事業は、社会インフラの整備に関する、高度な専門知識を要する「頭脳労働」に集約されます。

✔建設コンサルタント事業
事業の中核をなすのが、国や地方自治体といった公的機関から発注される、社会インフラの調査・設計業務です。道路や橋梁、河川、港湾、下水道など、対象は多岐にわたります。近年多発する自然災害からの復旧事業や、防災・減災のための設計も重要な役割です。これらの事業は、多数の有資格技術者による、専門知識と経験が不可欠です。

✔調査・測量・補償事業
全てのインフラ整備の起点となる、基礎的な調査業務です。最新の3次元計測機器などを駆使した測量、建設予定地の地盤を調べる地質調査、そして公共事業に伴う土地収用などのための補償コンサルタントまで、幅広い領域をカバーしています。

✔人材サービス事業
同社の非常にユニークな点として、労働者派遣事業や有料職業紹介事業の許認可を持ち、自社に所属する技術者を、他の企業やプロジェクトへ派遣・紹介する事業も行っています。これにより、専門技術者のスキルを柔軟に活用し、新たな収益源を確保しています。


【財務状況等から見る経営戦略】
✔外部環境
日本社会は、高度経済成長期に建設されたインフラの一斉老朽化という、待ったなしの課題に直面しています。橋やトンネル、上下水道などの維持管理・更新需要は、今後数十年にわたり、建設コンサルタント業界にとって巨大で安定した市場を提供します。また、激甚化する自然災害への対策(国土強靭化)も、同社の事業を後押しする強力な追い風です。

✔内部環境
最大の強みは、東証プライム上場企業であるE・Jホールディングスグループの中核企業であることです。これにより、高い信用力と豊富なリソースを背景に、大規模な公共事業の受注を可能にしています。1980年の創業以来、40年以上にわたり、国土交通省岡山県・市といった主要顧客との間に築かれた強固な信頼関係は、何物にも代えがたい経営資源です。

✔安全性分析
自己資本比率が80.7%というのは、企業の財務安全性を測る上で、これ以上ないほどに安全な水準です。総資産の8割以上が返済不要な自己資本で構成されており、実質的な無借金経営です。資本金4,550万円に対し、利益剰余金が約12億円と、その26倍以上にも達している点は、同社が長年にわたり極めて高い収益を上げ、それを着実に内部に蓄積してきたことの力強い証明です。財務的には全く懸念がなく、盤石な経営基盤を誇ります。


SWOT分析で見る事業環境】
強み (Strengths)
・インフラ老朽化対策・防災という、巨大で安定した市場での高い専門性
E・Jホールディングスグループとしての、高い信用力と総合力
自己資本比率80.7%を誇る、鉄壁の財務基盤と高い収益力
・国や地方自治体との、長年にわたる強固な取引関係

弱み (Weaknesses)
・事業が公共事業に大きく依存しており、国の予算動向に影響される可能性がある
・事業の成長が、採用・育成できる有資格技術者の数に制約される点

機会 (Opportunities)
・3次元計測などを活用した「インフラDX」による、生産性向上と新たなサービス創出
・維持管理や長寿命化といった、ストックマネジメント市場の拡大
・技術者派遣・紹介事業のさらなる拡大

脅威 (Threats)
・建設コンサルタント業界における、同業他社との厳しい受注競争
・業界全体が抱える、技術者の高齢化と若手入職者の減少


【今後の戦略として想像すること】
盤石な経営基盤と技術力を武器に、社会インフラの「トータル・ライフサイクル・パートナー」へと進化していくことが予想されます。

✔短期的戦略
まずは、国や自治体が進める国土強靭化計画や、インフラ長寿命化計画に関連する業務を着実に受注し、安定した収益基盤を維持していくことが重要です。同時に、ドローンや3Dレーザースキャナなどを活用した「インフラDX」への投資を継続し、調査・設計業務の生産性をさらに高めていくでしょう。

✔中長期的戦略
従来の「造る」ための設計だけでなく、完成したインフラをいかに効率的に「維持管理」していくか、というストックマネジメント分野でのコンサルティングを、事業の大きな柱へと育てていくことが期待されます。また、独自の強みである人材サービス事業をさらに発展させ、地域の建設業界全体の技術力向上に貢献する「技術者プラットフォーム」のような役割を担っていく可能性も秘めています。


【まとめ】
日本インフラマネジメント株式会社は、私たちの安全・安心な暮らしに不可欠な社会インフラを、その「設計」という最上流で支える、まさに知性派集団です。その堅実な仕事ぶりは、自己資本比率80.7%という鉄壁の財務内容に如実に表れています。インフラの老朽化という大きな課題に日本が直面する中、同社のような高度な専門技術を持つ企業の社会的役割は、今後ますます重要になっていくことは間違いありません。岡山の地から、日本の未来の礎を築く。その活躍から目が離せません。


【企業情報】
企業名: 日本インフラマネジメント株式会社
所在地: 岡山市北区田益1388-7
代表者: 中山 勝
創業: 1980年7月1日
資本金: 4,550万円
事業内容: 建設コンサルタント(道路、河川、橋梁等)、地質調査業、測量業、補償コンサルタント労働者派遣事業、有料職業紹介事業
株主: E・Jホールディングス株式会社

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