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#1433 決算分析 : 株式会社西鉄グリーン土木 第50期決算 当期純利益 102百万円


私たちが日々利用する道路や橋、憩いの場である公園の美しい緑、そして快適な暮らしに欠かせない上下水道。これらの社会インフラは、日々の地道な工事とメンテナンスによって支えられています。特に、九州のリーディングカンパニーである西鉄グループの一員として、その街づくりの一翼を多岐にわたる事業で担う企業があります。
今回は、土木工事から造園、道路清掃、さらには建設機械のレンタルまで、まさに「街の何でも屋」として地域社会に貢献する、株式会社西鉄グリーン土木の決算を読み解きます。そこからは、福岡という成長都市を基盤に、安定した収益を上げる優良企業の姿が見えてきました。

20250331_50_西鉄グリーン土木決算

決算ハイライト(第50期)

資産合計: 3,092百万円 (約30.9億円)
負債合計: 1,583百万円 (約15.8億円)
純資産合計: 1,509百万円 (約15.1億円)
当期純利益: 102百万円 (約1.0億円)


自己資本比率: 約48.8%
利益剰余金: 1,425百万円 (約14.2億円)

 

まず注目すべきは、その安定した財務基盤です。自己資本比率は約48.8%と、建設業として極めて健全な水準を維持しています。創業50期で積み上げた利益剰余金は約14.2億円に達しており、長年にわたり着実に利益を上げ、福岡の街の発展と共に成長してきた歴史がうかがえます。当期も1億円を超える純利益を確保しており、安定した収益力を誇ります。

 

企業概要

社名: 株式会社西鉄グリーン土木
設立: 1976年12月8日
事業内容: 土木工事、造園緑化工事、環境整備事業、建設機械レンタル・販売事業、建設資材販売事業、公園指定管理事業など

www.green-doboku.com

 

【事業構造の徹底解剖】
同社の最大の強みは、西鉄グループという強力なバックボーンと、建設・環境分野における驚くほど多角的な事業ポートフォリオにあります。一つの企業がこれほど多彩な機能を持つことで、他にない独自の価値を生み出しています。

✔土木・造園事業: 街の骨格と彩りを創る
事業の根幹をなすのは、道路や橋梁、造成工事などを手掛ける「土木工事」と、公園整備や屋上緑化などを担う「造園工事」です。特に地盤改良の「エポコラム工法」といった専門技術も有しており、構造物の安全を基礎から支えます。福岡のシンボルである大濠公園・西公園の指定管理者として、その維持管理を担っていることからも、同社の緑化技術への高い信頼がうかがえます。

✔環境整備事業: 街の血管をきれいに保つ
同社は、道路の路面清掃や、河川・側溝のしゅんせつ・清掃、さらには下水道管内のTVカメラ調査や高圧洗浄、管更生工事まで手掛けています。これらは、都市機能の「血管」とも言えるインフラを健全に保つための、地道ながら極めて重要な事業です。

✔建設機械・資材事業: プロを支えるプロ
同社は、自ら工事を行うだけでなく、他の建設会社を支える役割も担っています。建設機械のレンタル・販売・修理や、生コン・鋼材といった建設資材の販売まで手掛けています。自社で機械を整備・活用し、そのノウハウを外部へのレンタル事業にも活かすという、効率的で循環型のビジネスモデルを構築しています。

西鉄グループとしてのシナジー
西鉄グループの一員であることは、単なる信用力以上の意味を持ちます。グループが手掛ける鉄道やバスのインフラ整備、不動産開発(マンション建設や宅地造成)などにおいて、同社は土木・基礎・造園工事で中心的な役割を果たします。グループ内で安定した仕事を受注できることは、経営の盤石な基盤となっています。

 

【財務状況等から見る経営戦略】
1億円超の安定した利益は、その多角的な事業構造と、福岡という恵まれた市場環境の賜物です。

✔外部環境
同社が拠点を置く福岡市は、「天神ビッグバン」や「博多コネクティッド」といった大規模な都市再開発プロジェクトが進行中です。これにより、解体工事、基礎工事、周辺のインフラ整備、そして新たなビルの緑化など、同社のあらゆる事業部門にとって、長期かつ旺盛な需要が生まれています。また、全国的な課題であるインフラ老朽化対策も、同社の環境整備事業や土木事業の追い風となっています。

✔内部環境
同社の多角的な事業ポートフォリオは、優れたリスク分散機能を持っています。例えば、公共事業が減少する時期でも、民間の建設機械レンタル需要や、安定した公園管理業務が収益を下支えします。逆に、大規模な土木プロジェクトが始まれば、建設機械部門や資材販売部門の売上も相乗効果で伸びます。この巧みな事業の組み合わせが、景気の波に左右されにくい安定した収益構造を生み出しているのです。

 

SWOT分析で見る事業環境】

強み (Strengths)

・九州最大の企業グループ「西鉄」の一員であることによる、絶大なブランド力、信用力、安定した受注基盤。

・土木、造園、環境整備、機械レンタル、資材販売まで網羅する、極めて多角的な事業ポートフォリオによるリスク分散とシナジー効果

・天神ビッグバンなど、国家戦略特区として成長を続ける福岡都市圏を事業基盤としていること。

自己資本比率48.8%、利益剰余金14億円超という、健全で安定した財務体質。

弱み (Weaknesses)

・事業の多くが労働集約的であり、人件費の上昇や人材不足が経営に与える影響が大きい。

西鉄グループからの受注に依存する側面もあり、グループ外での競争力維持が課題。

機会 (Opportunities)

・「天神ビッグバン」をはじめとする、福岡都市圏での大規模再開発プロジェクトの継続。

・全国的なインフラ老朽化に伴う、橋梁補修、下水道管更生、法面対策といった維持・更新工事の増大。

・環境意識の高まりによる、屋上緑化や壁面緑化、グリーンリースといった事業の需要拡大。

脅威 (Threats)

・建設資材や燃料価格の高騰による、利益率の圧迫。

・建設業界全体で進行する、技術者・技能者の高齢化と深刻な後継者不足。

地方自治体の財政難に伴う、公共事業費の削減圧力。

 

【今後の戦略として想像すること】
同社は、総合力を武器に、成長都市・福岡の未来を形作っていく中心的な役割を担うでしょう。

✔短期的戦略
天神ビッグバン関連の工事需要を確実に取り込むことが最優先課題です。解体から基礎工事、そして新ビルの緑化まで、ワンストップで対応できる強みを最大限に活かし、プロジェクトに深く関与していくことが考えられます。

✔中長期的戦略
「環境」をキーワードにした事業の深化が期待されます。老朽化した下水道管を非開削で再生させる「管更生工事」は、今後ますます需要が高まる分野です。また、これまでのノウハウを活かし、産業廃棄物処理分野への本格的な事業拡大も視野に入ってくるでしょう。さらに、建設現場のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進し、生産性を向上させることも、持続的な成長のためには不可欠です。

 

まとめ

株式会社西鉄グリーン土木は、福岡の街を知り尽くした、地域に不可欠な総合インフラサービス企業です。西鉄グループの安定基盤の上で、土木から緑化、環境整備、機械レンタルまで、多彩なサービスを柔軟に組み合わせ、時代のニーズに応えてきました。これから再開発によって大きく姿を変えていく福岡の街。その地面の下から、建物の壁面まで、あらゆる場所に同社の確かな技術と汗が息づいていくことでしょう。

 

企業情報

企業名: 株式会社西鉄グリーン土木
所在地: 福岡市中央区大名1丁目4番1号
代表者: 代表取締役 財部 幸司
設立: 1976年12月8日
資本金: 8,400万円
事業内容: 土木、建築、管、解体工事、基礎工事、造園・緑化工事、公園管理、グリーンリース、建設資材販売、建設機械レンタル、路面清掃、しゅんせつ・清掃、下水道管路施設維持管理、産業廃棄物の収集運搬

www.green-doboku.com

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