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#1254 決算分析 : 泉山興業株式会社 第63期決算 当期純利益 61百万円

私たちの暮らしに欠かせない道路やコンクリート、そして港湾施設。これらの社会インフラが強固に作られる裏側には、品質の高い「骨材」の安定供給が不可欠です。しかし、その骨材がどこで、どのように作られているかをご存知でしょうか。今回は、青森県六ヶ所村から高品質な砕石を供給し、社会基盤を文字通り足元から支える泉山興業株式会社の第63期決算を分析。住石グループの一員として、地域の資源を活かしながら堅実な経営を続ける同社の強みと今後の展望に迫ります。

20250331_63_泉山興業決算

決算ハイライト(2025年3月期)

資産合計: 500百万円 (約5.0億円)
負債合計: 221百万円 (約2.2億円)
純資産合計: 279百万円 (約2.8億円)
当期純利益: 61百万円 (約0.6億円)


自己資本比率: 約55.8%
利益剰余金: 189百万円 (約1.9億円)

 

まず注目すべきは、純資産合計が約2.8億円、自己資本比率も約55.8%と健全な財務基盤を維持している点です。総資産の半分以上を自己資本で賄っており、財務的な安定性が非常に高いことがうかがえます。当期純利益もしっかりと61百万円を確保しており、堅実な経営状況が際立っています。

 

企業概要

社名: 泉山興業株式会社
設立: 2009年8月20日
株主: 住石ホールディングス株式会社(グループ会社)
事業内容: 岩石の採取、加工及び販売

www.sumiseki.co.jp

 

【事業構造の徹底解剖】

同社の事業は、青森県下北半島六ヶ所村で採取される安山岩を用いた「砕石事業」に集約されます。これは、主に建設会社や生コンクリート工場、アスファルト合材工場などに対し、社会インフラの基礎となる高品質な骨材を提供するビジネスです。

✔砕石の製造・販売:
同社の強みは、原料となる安山岩にあります。この岩石は砕石として強度が高く、コンクリート用骨材やアスファルト骨材、道路の路盤材といった高い品質が求められる用途に適しています。製品ラインナップも、港湾工事用の捨石から道路用の切込砕石、コンクリート用の単粒度砕石まで多岐にわたり、顧客の多様なニーズに応えています。

✔住石グループとの連携:
同社は、石炭の販売などを手掛ける住石ホールディングス株式会社のグループ企業です。グループが持つ広範なネットワークや信用力を背景に、安定した事業基盤を築いています。

 

【財務状況等から見る経営戦略】

✔外部環境:
同社の業績は、公共事業や民間の建設投資の動向に大きく左右されます。政府の国土強靭化計画といった継続的なインフラ整備への投資は追い風となる一方、近年の燃料費や輸送コストの上昇は、収益を圧迫する要因となり得ます。

✔内部環境:
砕石事業は、採石場や大規模な破砕・選別プラントといった設備が必要となるため、固定資産が大きく、固定費が高くなる傾向があります。同社の貸借対照表でも、総資産の約65%を固定資産が占めており、装置産業としての特徴が表れています。高品質な安山岩という資源を持つことで、一定の価格交渉力を維持していると考えられます。

✔安定性分析:
自己資本比率が約55.8%と非常に高く、財務の安定性は抜群です。これにより、景気の波に対する抵抗力が高まるだけでなく、金融機関からの信用力も向上し、将来の設備更新や投資に向けた余力を確保していると言えます。189百万円まで積み上がった利益剰余金は、長年にわたる堅実な経営の証です。

 

SWOT分析で見る事業環境】

強み (Strengths)
・強度に優れた高品質な安山岩という資源
・住石グループの一員としての高い信用力と安定した事業基盤
自己資本比率約55.8%という健全な財務体質
・多様なニーズに応える幅広い製品ラインナップ

弱み (Weaknesses)
・公共事業や建設市況への高い依存度
・製品の差別化が難しく、価格競争に陥るリスク
・事業所が青森県に限定されることによる地理的制約と輸送コスト

機会 (Opportunities)
・国土強靭化計画など、継続的なインフラ整備の需要
・大規模な災害からの復旧・復興事業
・高品質な骨材へのニーズの高まり

脅威 (Threats)
・景気後退による建設投資の減少
・燃料費、人件費、輸送コストのさらなる高騰
・環境規制の強化や人口減少に伴う国内建設市場の長期的縮小

 

【今後の戦略として想像すること】

SWOT分析を踏まえると、同社は強みである「高品質な資源」と「安定した財務基盤」を最大限に活用し、事業環境の変化に対応していくことが求められます。

✔短期的戦略:
燃料価格や人件費の上昇に対応するため、生産プロセスのDX推進による徹底した業務効率化やコスト削減が考えられます。また、高強度コンクリート用など、より付加価値の高い製品の販売比率を高めていくことも重要でしょう。

✔中長期的戦略:
採石場の安定稼働に向けた計画的な設備投資は不可欠です。また、環境負荷低減への社会的要求が高まる中、サステナビリティを意識した事業運営(例:リサイクル材の活用研究、省エネ設備の導入)も企業の持続的成長の鍵となります。

 

まとめ

泉山興業株式会社は、単なる砕石の製造会社ではありません。それは、青森の豊かな自然資源を活かし、日本の社会基盤を根底から支える重要な役割を担う企業です。住石グループとしての安定性と、約55.8%という高い自己資本比率が示す堅実な経営を武器に、今後も建設業界に不可欠な高品質の骨材を供給し続けることが期待されます。

 

企業情報
企業名: 泉山興業株式会社
所在地: 青森県上北郡六ヶ所村大字出戸字棚沢山1番地
代表者: 代表取締役社長 前田 浩志
設立: 2009年8月20日
資本金: 90百万円
事業内容: 岩石の採取、加工及び販売
株主: 住石ホールディングス株式会社(グループ会社)

www.sumiseki.co.jp

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