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#1095 決算分析 : 株式会社ダスキンプロダクト北海道 第40期決算 当期純利益 12百万円

株式会社ダスキンプロダクト北海道は、株式会社ダスキンの100%出資子会社として、北海道の衛生環境を支える「縁の下の力持ち」です。道央(千歳市)と道北(旭川市)の2工場を拠点に、家庭や事業所で使用されたモップやマットを回収・洗浄・再生加工し、再びお客様のもとへ届けるという、ダスキンが誇る循環型ビジネスの心臓部を担っています。


株式会社ダスキンプロダクト北海道の第40期(2025年3月31日現在)の決算公告が、2025年6月16日付の官報に掲載されましたので、その概要と事業の展望について分析します。

20250331_40_ダスキンプロダクト北海道決算

第40期 決算のポイント(単位:百万円)
資産合計: 493百万円 (約4.9億円)

負債合計: 63百万円 (約0.6億円)

純資産合計: 430百万円 (約4.3億円)

当期純利益: 12百万円 (約0.1億円)

 

今回の決算では、当期純利益として12百万円(約0.1億円)を計上し、堅実な経営状況を示しています。特筆すべきは、その盤石な財務基盤です。資産合計約4.9億円に対し、負債合計は約0.6億円に留まり、自己資本比率は約87.2% という極めて高い水準を誇ります。

利益剰余金も350百万円(約3.5億円)と潤沢に積み上がっており、これは親会社である株式会社ダスキンが掲げるサステナビリティ経営を、北海道の地で着実に実践してきた成果と言えるでしょう。この安定した財務は、将来にわたる設備投資や、従業員への安定した雇用の提供を可能にし、地域社会への貢献を続けるための強固な土台となっています。

 

事業内容と今後の展望(考察)

【事業内容の概要】
株式会社ダスキンプロダクト北海道の事業は、私たちが普段目にすることのない、レンタル商品の「裏側」を支える極めて重要な役割を担っています。

レンタル商品の再生・加工:
事業の中核は、北海道全域の家庭やオフィス、店舗などから回収された使用済みのモップやマット、その他清掃・衛生用品の再生処理です。道央中央工場(千歳市)と道北工場(旭川市)において、専用の大型洗濯機や乾燥機を駆使し、商品を一点一点丁寧に洗浄・修繕します。単に汚れを落とすだけでなく、商品の機能が最大限に回復するよう加工を施し、新品同様の品質で再びお客様の元へ出荷します。

ダスキンビジネスの循環サイクルの実現:
同社の事業は、ダスキンが提唱する「リユース(再利用)」を基本とした循環型ビジネスモデルの根幹をなしています。商品を使い捨てにせず、繰り返し再生して利用することで、廃棄物の発生を抑制し、省資源化に大きく貢献しています。これは、近年のSDGs(持続可能な開発目標)やサーキュラーエコノミー(循環経済)の考え方を、創業当初から先取りしてきたビジネスモデルと言えます。

品質管理と物流拠点機能:
再生加工された商品の品質を厳しくチェックし、北海道内のダスキン加盟店へと供給する物流拠点としての機能も担っています。お客様が常に安心してダスキン商品を使えるよう、見えないところで品質と安定供給を支えています。

 

【財務状況と今後の展望・課題】
第40期決算で示された安定した利益と健全な財務状況は、ダスキンブランドへの揺るぎない信頼と、生活に密着した「衛生」という普遍的なニーズに支えられています。特に、近年の衛生意識の高まりは、同社が取り扱う清掃・衛生用品市場にとって強力な追い風となっています。BtoC(家庭向け)だけでなく、BtoB(事業所向け)においても、快適で衛生的な環境維持への投資は不可欠となっており、同社の事業基盤はより一層強固なものとなっています。

同社の最大の強みは、株式会社ダスキンの100%子会社であることによる「安定性」と「品質基準」です。親会社が長年培ってきた商品開発力、生産技術、品質管理ノウハウを最大限に活用できるだけでなく、全国規模のブランド戦略やマーケティングの恩恵も受けることができます。また、道央と道北に2つの生産拠点を有することで、広大な北海道の隅々まで効率的に商品を供給し、災害時などにおける事業継続計画(BCP)の観点からもリスク分散が図られています。

今後の成長に向けた課題としては、「労働力の確保」と「環境負荷のさらなる低減」が挙げられます。工場でのオペレーションは労働集約的な側面もあり、少子高齢化が進む中で、安定的に人材を確保し、働きやすい環境を整備していくことが重要です。また、循環型ビジネスの担い手として、洗浄工程で使用する水やエネルギーの削減、より環境負荷の少ない洗剤の開発・導入など、サステナビリティへの取り組みをさらに深化させることが、企業価値の向上に直結します。

今後のマイルストーンとしては、工場の生産性向上を目的とした自動化・省力化設備の導入や、再生可能エネルギーの活用などが考えられます。株式会社ダスキンプロダクト北海道は、これからも「喜びのタネをまこう」というダスキンの経営理念を胸に、北海道の清潔で快適な環境づくりに貢献し続けるでしょう。その地道で誠実な事業活動は、まさに地域社会を根底から支える、なくてはならない存在です。

 

企業情報
企業名: 株式会社ダスキンプロダクト北海道

所在地: 北海道千歳市信濃776-18

代表者: 廣山 能久(官報掲載情報。公式サイトでは佐藤 直得)

事業内容: 株式会社ダスキンの100%子会社として、北海道内で使用されたレンタル用モップ・マット等の清掃・衛生用品の洗浄・再生加工、及び保管・管理・出荷業務を行う。

www.duskin-product.jp

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