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#1004 決算分析 : 株式会社つうけんアクト 第31期決算 当期純利益 325百万円


北海道の情報通信エンジニアリングをリードする「つうけんグループ」。その中核企業として、「もの」と「人」、そして「サービス」を有機的に組み合わせ、顧客企業のビジネスを多角的に支える株式会社つうけんアクトの第31期(2025年3月期)決算公告が2025年6月16日に掲載されました。リース、レンタルから警備、人材派遣まで、幅広い事業で北海道経済のダイナミズムを下支えする同社の経営状況と、そのユニークなビジネスモデルの強さに迫ります。 

20250331_31_つうけんアクト決算

第31期 決算のポイント(単位:百万円)
資産合計: 11,215 (約112.1億円)

負債合計: 8,958 (約89.6億円)

純資産合計: 2,257 (約22.6億円)

当期純利益: 325 (約3.3億円)

 

今回の決算では、年商116.5億円(同社Webサイトより)を背景に、325百万円の当期純利益を計上し、安定した収益力を示しました。資産合計は約112.1億円、純資産合計は約22.6億円となっています。利益剰余金も1,697百万円(約17.0億円)と順調に積み上がっており、堅実な経営が続けられていることがわかります。

 

事業内容と今後の展望(考察)

【事業内容の概要】
株式会社つうけんアクトは、1994年にオートリース事業からスタートし、その後、合併や事業統合を経て、現在では5つの異なる事業を柱とする総合ソリューション企業へと成長しました。その事業内容は、まさに企業の「お困りごと」をワンストップで解決する「ビジネスの何でも屋」とも言える布陣です。

 

リース事業:

自動車や工事用車両、情報機器、事務機器などを提供。企業の設備投資における初期コストを抑え、効率的な経営をサポートします。

 

保険代理店事業:

リース車両に関わる自動車保険はもちろん、火災保険など、企業活動に付随する様々なリスクに備える保険商品を提供します。

 

レンタル事業:

建設工事で必要となる仮設ハウスや各種用品、オフィス什器、イベント用品などを必要な時に必要なだけ提供します。

 

警備事業:

親会社である「つうけん」が手掛ける通信・建設工事現場での交通誘導警備を主軸に、雑踏警備や施設警備も行い、現場の安全を確保します。

 

人材派遣事業:

各企業のニーズに応じた人材を派遣し、業務の円滑な遂行をサポートします。

 

これらの5事業は、特に親会社である「つうけん」の事業と密接に連携することで、強力なシナジーを生み出しています。

 

【財務状況と今後の展望・課題】
今期3.3億円の純利益を計上したことは、この多角的なビジネスモデルが成功している証左です。貸借対照表を見ると、総資産112.1億円に対し、流動資産が74.2億円、流動負債が88.4億円と、流動項目が大きな割合を占めています。これは、リース事業におけるリース債権・債務や、レンタル事業の資産などが大きく影響していると推測され、活発な事業活動を反映した財務内容と言えます。自己資本比率は約20.1%と一見低めですが、これはリース・レンタル業の財務特性であり、親会社である「つうけん」の強力な信用力を背景に、安定した事業運営がなされていることを示唆しています。

 

【強みと機会】

つうけんグループという強力な事業基盤:

同社の最大の強みは、親会社である「つうけん」を中心としたグループ内での安定した需要です。通信・建設工事があれば、工事車両のリース、現場事務所のレンタル、交通誘導員の警備、作業員の人材派遣といった需要が必然的に発生します。この揺るぎない事業基盤が、同社の安定経営を支えています。

 

ワンストップソリューションによる顧客提供価値:

企業が経営効率化のため、本業以外の業務をアウトソーシングする流れは加速しています。リースから保険、レンタル、警備、人材まで、企業のノンコア業務をまとめて引き受け、最適な組み合わせで提案できる同社のビジネスモデルは、顧客にとって非常に価値が高く、時代のニーズに合致しています。

 

北海道におけるインフラ投資の追い風:

北海道新幹線の札幌延伸や、ラピダス社の半導体工場建設をはじめ、現在の北海道は官民の大規模なインフラ投資が活発化しています。これに伴う建設工事の増加は、建設機械のレンタル、交通誘導警備、現場作業員の人材派遣といった同社の事業にとって、またとない追い風となります。

 

【課題とリスク】

グループへの依存と外部顧客開拓:

強固なグループ内需要は強みである一方、グループ全体の業績や設備投資の動向に経営が左右されるという側面も持ちます。長期的な成長のためには、グループ外の顧客をどれだけ開拓し、自立した収益基盤を強化できるかが課題となります。

 

労働集約型事業における人材確保:

警備事業や人材派遣事業は、サービスの品質が「人」に大きく依存します。労働人口の減少が進む中で、質の高い人材をいかに確保し、教育し、定着させていくかという課題は、今後ますます重要になります。

 

多角化経営のマネジメント:

それぞれ専門性が異なる5つの事業を運営し、全体としてシナジーを発揮させるためには、高度な経営管理能力が求められます。各事業の専門性を維持・向上させながら、組織としての一体感をいかに醸成していくかが問われます。

 

つうけんアクトは、親会社「つうけん」の事業を支えるという明確な役割を持ちながら、リース、レンタル、警備、派遣といった多角的なサービスを組み合わせることで、独自の強みを持つ企業へと成長しました。北海道で今まさに起きている大きな開発の波に乗り、グループシナジーを最大限に活用することで、今後も「お客様のパートナー」として、地域経済の発展に貢献しながら安定した成長を続けていくことでしょう。

 

企業情報
企業名: 株式会社つうけんアクト

所在地: 札幌市厚別区下野幌テクノパーク2丁目3番1号

代表者: 真田 尚明

事業内容: 株式会社つうけんの100%子会社として、リース、レンタル、保険代理店、警備、人材派遣の5事業を展開。企業のノンコア業務をワンストップでサポートする総合ソリューションビジネスを行う。

www.tsuken-act.co.jp

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