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#999 決算分析 : カタギ食品株式会社 第73期決算 当期純利益 15百万円


「たかが胡麻、されど胡麻」。この一途な想いを胸に、大正8年(1919年)の創業から100年以上にわたり、日本の食卓にごま製品を届け続けてきたカタギ食品株式会社。同社の第73期(2025年3月期)決算公告が2025年6月16日に掲載されました。ごま油のトップメーカー「かどや製油」グループの中核を担う、ごま専門メーカーの老舗の現在地と、その揺るぎない強さの秘密に迫ります。 

20250331_73_カタギ食品決算

第73期 決算のポイント(単位:百万円)
資産合計: 3,422 (約34.2億円)

負債合計: 1,273 (約12.7億円)

純資産合計: 2,149 (約21.5億円)

当期純利益: 15 (約0.2億円)

 

今回の決算では、15百万円の当期純利益を確保しました。特筆すべきはその強固な財務体質です。資産合計約34.2億円に対し、純資産合計が約21.5億円と厚く、自己資本比率は約62.8% という高い水準を維持しています。また、利益剰余金も1,968百万円(約19.7億円)と潤沢に積み上がっており、長年にわたり安定した経営を継続してきたことが明確に示されています。

 

事業内容と今後の展望(考察)

【事業内容の概要】
カタギ食品は、その名の通り「ごま」の加工・販売一筋に事業を展開してきた専門メーカーです。その製品は、私たちの食生活に深く根付いています。

 

ごま製品の製造・販売:

独自の鉄釜を用いた直火焙煎技術にこだわり、ごま本来の豊かな「香り」を最大限に引き出した「いりごま」「すりごま」「ねりごま」などを製造。全国の家庭用・業務用市場に供給しています。

 

品質と安全への徹底したこだわり:

業界に先駆けて有機JAS認証を取得した「有機ごまシリーズ」や、健康志向に応える「セサミンリッチシリーズ」など、付加価値の高い商品を展開。また、食品安全の国際規格であるFSSC22000認証を取得するなど、原料から製品に至るまで徹底した品質・安全管理体制を構築しています。

 

かどや製油グループとして:

2017年より、ごま油のトップメーカーである、かどや製油株式会社のグループの一員となっています。これにより、ごま業界のリーディンググループとして、原料調達から製品開発、販売に至るまで、強力なシナジーを発揮できる体制を整えています。

 

【財務状況と今後の展望・課題】
今期の決算は、老舗食品メーカーとしての安定感と堅実さを示しています。自己資本比率60%超という高い財務健全性は、市況の変動や不測の事態に対する強い耐性を持っていることの証です。着実に利益を計上し、内部留保を厚くする経営は、「胡麻をする」「胡麻かす」ことを嫌うという、誠実さを重んじる同社の経営方針そのものを体現しているかのようです。

 

この安定経営を基盤に、カタギ食品は未来の成長機会を的確に捉えています。

 

【強みと機会】

100年ブランドの信頼性:

創業100年を超える歴史は、一朝一夕では築けない絶大なブランド価値と信頼を生み出しています。消費者が毎日口にする食品だからこそ、「カタギのごまなら安心」という信頼感は、何物にも代えがたい競争優位性となります。

 

健康志向という社会の追い風:

ごまに含まれるセサミン、ビタミンE、抗酸化作用などが広く知られるようになり、健康維持・増進のためにごまを積極的に摂取したいというニーズは年々高まっています。このトレンドは、ごま専門メーカーである同社にとって大きな成長機会です。

 

食の安全・本物志向への対応力:

「ごま農家と二人三脚でいのちを繋ぐ」という理念のもと、生産者との対話を重視し、原料のトレーサビリティを確保。業界初の有機JAS認証取得やFSSC22000認証など、食の安全・安心、そして本物志向を求める消費者の期待に最高レベルで応える体制が整っています。

 

「かどや製油」とのシナジー効果:

ごま油の巨人「かどや」と、加工ごまの老舗「カタギ」。この強力なタッグは、原料の共同調達によるコスト競争力や価格安定性の向上、互いの販売網を活用した市場カバー率の拡大、そして共同での研究開発による新商品創出など、計り知れないシナジー効果が期待されます。

 

【課題とリスク】

原料の安定調達と価格変動:

ごまの多くを海外からの輸入に頼っているため、産地の天候不順や国際情勢、為替の変動による原料価格の高騰は、常に経営上のリスクとなります。多様な産地との関係を強化し、安定した調達網を維持し続けることが不可欠です。

 

市場競争とブランド価値の伝達:

ごま製品は、スーパーのプライベートブランド(PB)商品など、価格競争も激しい市場です。その中で、「カタギのごま」が持つ品質、香り、安全性といった付加価値を消費者に的確に伝え、ブランド価値を維持・向上させていくための継続的なコミュニケーション活動が重要となります。

 

「明日に向かって、開けごま!」—。このキャッチフレーズには、小さなごま一粒に込められた無限の可能性と、食を通じて人々の健康と幸せに貢献したいという同社の願いが込められています。100年の伝統に裏打ちされた品質へのこだわりと、かどや製油グループという強力な推進力を両輪に、カタギ食品はこれからも日本の食卓に欠かせない名脇役として、美味しく、そして安心な「愛情込めたひと粒」を届け続けてくれることでしょう。

 

企業情報
企業名: カタギ食品株式会社

所在地: 大阪府寝屋川市石津元町12番8号

代表者: 参河 浩司

事業内容: 創業100年を超えるごま専門メーカー。直火焙煎にこだわった、いりごま・すりごま・ねりごま等の加工ごま製品の製造・販売を行う。2017年より、かどや製油株式会社のグループ会社。

www2.katagi.co.jp

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