後継者不足に悩む中堅企業や、さらなる成長を目指すポテンシャルのある企業に、資金と経営ノウハウを提供し、「日本を元気にする」――。SMBC日興証券、住友商事、三井住友信託銀行という日本を代表する企業を株主に持つ、プライベート・エクイティ(PE)ファンド運営会社、ライジング・ジャパン・エクイティ株式会社。その第15期(令和7年3月31日現在)の決算公告が、令和7年6月16日付の官報に掲載されました。日本の産業界で重要な役割を担う「和製PEファンド」の雄の、安定した経営状況と、その社会的意義、今後の戦略について考察します。 ![]()

第15期 決算のポイント(単位:百万円)
資産合計: 2,096 (約21.0億円)
負債合計: 819 (約8.2億円)
純資産合計: 1,278 (約12.8億円)
当期純利益: 44 (約0.4億円)
今回の決算では、当期純利益として44百万円を確保し、安定した黒字経営を続けています。純資産は約12.8億円、中でも利益剰余金が約11.7億円と潤沢に積み上がっており、自己資本比率も約61.0%と健全な水準です。これは、同社が運営する投資ファンドからの管理報酬や成功報酬によって、安定した収益基盤を確立していることを示しています。
事業内容と今後の展望(考察)
【事業内容の概要】
ライジング・ジャパン・エクイティ株式会社(RJE)は、投資家から集めた資金でファンド(投資事業有限責任組合)を組成し、主に国内の中堅企業の株式を取得して、その企業の価値を高めた上で、最終的に株式を売却(EXIT)することでリターンを得る、プライベート・エクイティ・ファンドの運営会社(ジェネラル・パートナー)です。
国内中堅企業へのバイアウト投資:
事業承継や事業再構築などの課題を抱える、安定したキャッシュフローを持つ国内の中堅企業に対し、原則として株式の過半数を取得する「バイアウト投資」を行います。
ハンズオンによる企業価値向上:
投資後は、役職員を派遣するなど、経営に深く関与する「ハンズオン支援」を実施。投資先企業の経営陣とビジョンを共有し、共に汗をかくことで、経営体制の強化、成長戦略の実行、M&Aによる事業拡大などをサポートします。
豊富な投資・EXIT実績:
2011年の1号ファンド設立以来、これまでに3本のファンドを組成。機械、化学、食品、サービスなど多様な業種の企業に投資し、IPO(株式公開)や大手企業への売却など、数多くのEXITを成功させています。
【財務状況と今後の展望・課題】
第15期決算で示された安定した財務基盤は、RJEのビジネスモデルが成功裏に機能していることを物語っています。貸借対照表では、資産の93%以上が流動資産であり、固定資産が極めて少ない「アセットライト」な経営体質が見て取れます。これは、同社の資本が、工場や設備ではなく、投資のプロフェッショナルである「人」と、日本のトップ企業群に連なる「ネットワーク」であるということです。
RJEの事業は、現代の日本社会が抱える重要な課題の解決に直結しています。
事業承継問題の解決:
中小・中堅企業にとって後継者不足は深刻な問題です。RJEは、オーナー経営者から株式を譲り受けることで、企業の存続と発展を可能にし、長年培われてきた技術やブランド、そして従業員の雇用を守っています。これは、地域経済の活性化に大きく貢献する活動です。
日本経済の競争力強化:
優れた技術や潜在力を持ちながら、経営資源の不足で成長が滞っている企業に対し、資金と経営ノウハウを注入。企業の成長を加速させることで、日本経済全体の競争力向上に寄与しています。
この社会的意義の高い事業を成功させているRJEの強みは、その独自のスタイルにあります。
1.「和製PEファンド」ならではの信頼関係
外資系ファンドとは一線を画し、「調和・協調」を理念に掲げ、日本の商慣行や企業文化を深く理解・尊重する姿勢。投資先企業の経営陣や従業員と同じ目線に立ち、パートナーとして企業価値向上に取り組むスタイルが、多くのオーナー経営者から信頼を得ています。
2.オールジャパンの強力なスポンサー体制
株主であるSMBC日興証券(金融・M&A)、住友商事(事業・海外展開)、三井住友信託銀行(資産管理・不動産)という、各界のトップランナーが持つ知見と広範なネットワークを、投資先企業のために惜しみなく提供できる体制は、他のPEファンドにはない圧倒的な強みです。
今後の成長戦略としては、2022年に設立された「ライジング・ジャパン・エクイティ第三号投資事業有限責任組合」の活動が中心となります。
ウェブサイトで公表されている情報によると、この3号ファンドはすでに、セレモアホールディングス(葬儀)、日進機工(機械)、丸栄産業(産業廃棄物)、エイセブプラス(自動車部品)など、多様な業種の中堅企業への投資を実行しています。今後も、事業承継やカーブアウト(大企業からの事業切り出し)といったニーズを持つ、ポテンシャルの高い企業への投資を加速させていくでしょう。
投資後は、これまでの実績で培ったハンズオン支援のノウハウをフル活用し、DX化の推進、追加のM&Aによる業界再編、海外展開の足がかり構築など、それぞれの企業に合わせた処方箋で企業価値を高め、数年後のIPOやM&Aといった形で投資成果を実現していくことが期待されます。
ライジング・ジャパン・エクイティは、単なる投資会社ではありません。日本の産業界が抱える課題を解決し、企業の成長を通じて「日本を元気にする」という高い志を持った、信頼されるパートナーです。その着実な歩みは、これからも多くの企業の未来を照らし、日本経済の発展に貢献し続けていくに違いありません。
企業情報
企業名: ライジング・ジャパン・エクイティ株式会社
所在地: 東京都千代田区大手町1-7-2 東京サンケイビル27階
代表者: 丸山 哲夫
事業内容: SMBC日興証券、住友商事、三井住友信託銀行等を株主に持つ、国内中堅企業に特化したプライベート・エクイティ・ファンドの運営会社。事業承継などの課題を抱える企業に、資金とハンズオン支援を提供し、企業価値向上を目指す。