決算公告データ倉庫

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#891 決算分析 : 株式会社ディプロ 第27期決算 当期純利益 33百万円

私たちが日常的に使う除菌シートやメイク落とし、赤ちゃんのおしりふき。様々なブランドで販売されるこれらの製品の多くを、実は一社で設計・製造まで手掛けている企業があることをご存知でしょうか。愛媛県四国中央市に本社を構える、ウェットティシューのOEM/ODM専業メーカー、株式会社ディプロ。日本の衛生環境を支える「縁の下の力持ち」である同社の第27期(2025年3月期)決算公告が、2025年6月18日付の官報に掲載されました。本記事では、その決算内容を分析し、社会に不可欠な製品を裏側から支える同社の強みと戦略に迫ります。 

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第27期 決算のポイント(単位:百万円)
資産合計: 3,253百万円 (約32.5億円)
負債合計: 2,728百万円 (約27.3億円)
純資産合計: 525百万円 (約5.3億円)
当期純利益: 33百万円 (約0.3億円)


今回の決算では、当期純利益として33百万円を確保。総資産32.5億円のうち、固定資産が20.5億円と過半を占めている点が特徴的です。これは、2020年に竣工した新本社工場をはじめ、高品質な製品を安定的に供給するための先進的な生産設備へ大規模な投資を行ってきたことを示しています。4億円を超える利益剰余金は、堅実な経営で着実に利益を積み上げてきた証です。

 

事業内容と今後の展望(考察)

【事業内容の概要】
株式会社ディプロは、その社名(Distinctive Products:特徴的な製品)が示す通り、ウェットティシューという製品に特化し、顧客企業のブランドで販売される製品の設計・開発から製造までを一手に引き受けるOEM(相手先ブランドによる生産)・ODM(相手先ブランドによる設計・生産)の専門企業です。

 

ウェットティシューのトータルソリューションプロバイダー:

ベビー用品メーカー、化粧品会社、日用品メーカー、医療関連企業など、様々な企業の「こんな製品が欲しい」という思いをカタチにするのが同社の使命です。ヒアリングから始まり、製品の心臓部である不織布や薬液の選定・設計、試作、そして製造・品質管理・納品まで、すべてのプロセスをワンストップで提供しています。


高付加価値製品を製造できる許認可と設備:

同社の最大の強みは、一般的な雑貨品に留まらない、より高度な品質管理が求められる製品を製造できる点にあります。化粧品・医薬部外品・医療機器という3つの重要な製造業許可を保有。これにより、薬局で販売される「薬用消毒シート」や、美容成分を配合した「フェイスマスク」、さらには「医療用ドライガーゼ」まで、幅広いカテゴリーの製品を製造可能です。2020年に竣工した新工場には、高濃度アルコール製品の製造が可能な防爆設備や、クリーンな製造環境が完備されています。


親会社との強力なシナジー:

同社は、不織布の専門商社である小津産業株式会社の100%子会社です。これにより、製品の基材となる不織布の安定調達や、最新素材に関する情報収集、そして親会社の持つ幅広い販売ネットワークといった面で強力なシナジーを発揮し、競争優位性を高めています。


【財務状況と今後の展望】
今期、安定して33百万円の純利益を計上できた背景には、コロナ禍を経て社会全体で衛生意識が定着し、除菌・消毒シートをはじめとするウェットティシュー市場が堅調に推移していることがあります。その中で、同社の持つ高い技術力と、医薬部外品なども製造できる品質管理体制が、多くの顧客企業から厚い信頼を得ている結果と考えられます。

 

ディプロが手掛ける製品は、日本の清潔で快適な暮らしと、公衆衛生の向上に大きく貢献しています。OEM/ODMという事業形態は、多くの企業が自前で大規模な製造設備を持つことなく、多様な製品を迅速に市場へ供給することを可能にし、日本の消費財産業全体の効率化にも寄与する、社会的に意義の大きいビジネスモデルです。

 

今後の課題としては、OEM/ODM専業であるため、特定の主要取引先への依存度が高まるリスクや、原材料・エネルギーコストの高騰が挙げられます。この課題に対し、同社はすでに次の一手を打っています。それが、「ODM供給を提案できる体制の構築」です。

 

これは、単に顧客の要望通りに作る(OEM)だけでなく、自社で独自の薬液処方などを研究開発し、顧客に「こんな新しい製品はいかがですか?」と積極的に製品企画を提案していく(ODM)体制への進化を意味します。これが実現すれば、ディプロは単なる「製造下請け」から脱却し、顧客の製品開発をリードする「戦略的パートナー」へと、その立ち位置を大きく変えることができます。

 

今後のマイルストーンとしては、2020年に稼働した新工場の生産効率を最大化し、収益性をさらに向上させることが当面の目標となるでしょう。また、環境配慮型素材(生分解性不織布など)を使用したサステナブルな製品や、新たな機能性を持つ独自処方の開発に成功すれば、それが次の大きな成長を牽引するマイルストーンとなります。

 

株式会社ディプロが目指すのは、「ウェットティシューOEM/ODM業界における、最も信頼される技術開発型企業」としての確固たる地位です。親会社である小津グループの総合力を背景に、顧客のあらゆる要望に「ディプロなら応えてくれる」という期待に応え続ける。私たちが普段、様々なブランド名で何気なく手に取るウェットティシュー。その裏側で、愛媛から日本の、そして世界の清潔・快適・安全を支える。そんな誇り高き「黒子」として、ディプロはこれからも進化を続けていくことでしょう。

 

企業情報
企業名: 株式会社ディプロ
所在地: 愛媛県四国中央市土居町土居2227番2
代表者: 代表取締役社長 村尾 茂
事業内容: 小津産業株式会社の100%子会社。ウェットティシューのOEM/ODM(相手先ブランドでの設計・製造)専業メーカー。化粧品・医薬部外品・医療機器の製造許可と先進的な設備を強みに、多様な高付加価値製品を手掛ける。

kk-dipro.co.jp

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