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#637 決算分析 : 公益財団法人はくばく奨学基金 第3期決算 〜山梨の未来を担う若者への支援を継続〜

もち麦」や「十六穀ごはん」などで知られ、穀物を通じた健康価値の提供をリードする株式会社はくばく。同社が創業80周年を機に、創業の地である山梨県への恩返しとして設立した「公益財団法人はくばく奨学基金」の第3期(2024年9月30日現在)の決算公告が、2024年12月23日付の官報に掲載されました。その内容は、未来を担う人材育成への揺るぎないコミットメントと、極めて健全な財団運営を示しています。

20240930_3_はくばく奨学基金決算

 

第3期末の貸借対照表の要旨は以下の通りです。

資産合計: 3,374千円
負債合計: 0円
正味財産合計: 3,374千円


(内訳)
指定正味財産: 144千円
一般正味財産: 3,230千円


特筆すべきは、負債がゼロである点です。これは、財団が借入金に一切頼ることなく、設立母体である株式会社はくばくからの寄付などを原資とした自己資金のみで、透明かつ健全に運営されていることを力強く示しています。この安定した財務基盤があるからこそ、長期的な視点で、継続的に学生たちへの支援を行うことが可能となっています。

 

財団の理念と奨学金事業
はくばく奨学基金は、「企業は人なり」という信念のもと、長年にわたり企業を支えてくれた山梨の地と人々への感謝を形にするために設立されました。代表理事である長澤重俊氏は、「向学心あふれる前途有望な山梨在住の若者が、経済的な理由で進学を断念することは本当に残念なこと」と述べ、無限の可能性を持つ若者たちの一助となることへの強い想いを表明しています。

 

その想いを具現化するのが、財団の中核事業である奨学金給付事業です。

 

支援の対象:

山梨県内の高等学校、高等専門学校専修学校に在籍し、大学進学を希望する、学業優秀かつ品行方正でありながら経済的理由により修学が困難な生徒・学生。


支援の内容:

月額3万円(年間36万円)を給付。最大の特色は、卒業後の返済義務が一切ない「給付型」であることです。これにより、学生は将来の返済負担を心配することなく、安心して学業に専念できます。


支援の実績:

財団設立以来、その支援の輪は着実に広がっています。
2021年度: 8名
2022年度: 9名
2023年度: 5名
2024年度: 7名

これまでに、合計で29名の学生がこの奨学金を受けて大学進学の夢を追いかけています。


企業の社会的責任と未来への投資:
はくばく奨学基金の活動は、単なる慈善事業にとどまりません。これは、企業の社会的責任(CSR)を深く理解し、事業を通じて得た利益を、地域社会の最も重要な資産である「人」へと再投資する、未来志向の取り組みです。

 

経済的な格差が教育の機会の格差に繋がりかねない現代において、返済不要の奨学金は、意欲と能力のある若者が夢を諦めずに済むための生命線となり得ます。財団が支援した学生が、いずれ故郷・山梨への感謝を胸に、国内外の様々な分野で大きく羽ばたき、活躍すること。それこそが、財団、そしてはくばく全社員の願いであり、長期的な視点での地域貢献、ひいては社会全体の発展に繋がる投資と言えるでしょう。

 

安定した財務基盤のもと、着実に支援の実績を積み重ねるはくばく奨学基金。その静かですが志の高い活動は、地域に根差す企業が果たすべき役割の一つの理想的な姿を示しています。今後も、一人でも多くの山梨の若者が未来への扉を開くための「一助」として、その活動が継続・発展していくことに大きな期待が寄せられます。

 

財団情報
名称: 公益財団法人 はくばく奨学基金
所在地: 山梨県中央市西花輪4629
代表理事: 長澤 重俊
目的: 山梨県内の高校等に在籍し大学進学を希望する学生への奨学金給付を通じ、社会に有用な人材および地域の発展に貢献する人材の育成に寄与すること。

www.hakubaku-foundation.or.jp

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