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#582 決算分析 : ノックオンザドア株式会社 第7期決算 当期純利益 ▲397百万円

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ノックオンザドア株式会社の第7期の決算公告が、令和6年12月9日付の官報に掲載されましたので、その概要と事業の状況をピックアップします。

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第7期 決算のポイント(単位:百万円)
資産合計: 394百万円 (約3.9億円)
負債合計: 414百万円 (約4.1億円)
純資産合計: ▲19百万円 (約▲0.2億円)
当期純損失: 397百万円 (約4.0億円)


今回の決算では、当期純損失として397百万円(約4.0億円)が計上されています。資産合計は約3.9億円、負債合計は約4.1億円となり、純資産は▲19百万円(約▲0.2億円)の債務超過の状態です。利益剰余金のマイナス(▲616百万円)が、資本金(80百万円)と資本剰余金(524百万円)の合計を上回ったことが主な要因です。

 

事業内容と今後の展望(考察)


【事業内容の概要】

ノックオンザドア株式会社は、「難病患者・家族が輝き、自分らしい人生を送れる社会の実現」をパーパスに掲げ、ヘルスケアテック分野、特に難病患者の支援に特化したプラットフォーム事業を展開しています。

 

てんかん患者・家族向け発作記録アプリ「nanacara」: てんかん発作を動画やタイマーで簡単に記録・管理できるスマートフォンアプリです。記録データはグラフなどで可視化され、患者家族の記録負担を軽減すると共に、日々の状態把握を支援します。


医師・医療機関向け連携サービス「nanacara for Doctor」: 患者が「nanacara」で記録した発作情報(動画含む)を、医師が診察時にクラウド経由で閲覧できるサービスです。口頭では伝わりにくい発作の様子を正確に共有することで、診療の質の向上に大きく貢献しています。
てんかん特化型オンライン医療サービスの展開: オンライン診療・服薬指導サービス「nana-medi」や、てんかんの専門知識を持つ薬剤師が在籍する「nanacara薬局」(大阪府)を運営。患者がどこにいても専門的なケアを受けられる、独自のバーティカルなエコシステムを構築しています。


【財務状況と今後の展望・課題】

第7期決算で当期純損失397百万円を計上し、債務超過となった背景には、2018年設立の同社が事業の普及とプラットフォーム確立に向けた先行投資を継続していることが挙げられます。貸借対照表に見られる固定資産が287百万円(約2.9億円)と資産の大部分を占めている点は、主力サービスである「nanacara」プラットフォームへの継続的なソフトウェア開発投資を示唆しています。

 

現状の損失は、事業の成長フェーズにおける戦略的な投資の結果と捉えることができます。同社はてんかん領域に深く特化し、患者、家族、医師、薬局を繋ぐ独自のプラットフォームを構築。アプリのダウンロード数や発作記録件数、導入医療機関数は順調に増加しており、NHKのテレビ番組で取り上げられるなど社会的な認知度も高まっています。このユニークなポジションとエコシステムは、同社の大きな強みです。

 

しかしながら、債務超過という財務状況は喫緊の課題です。スタートアップの成長過程では一時的に起こり得るものの、継続的な事業運営のためには財務基盤の強化が不可欠です。今後は、これまで築き上げてきたユーザーベースと医療機関ネットワークを収益に転換していくフェーズへと移行することが求められます。具体的には、「nanacara for Doctor」の機能拡充によるマネタイズ強化、製薬企業との治験支援事業の拡大、オンライン診療・薬局事業のグロースなどが戦略の中心となるでしょう。2022年のシミックホールディングス株式会社との資本業務提携は、事業と財務の両面で強力な後ろ盾となっていると考えられます。

 

今後のマイルストーンとしては、まず債務超過を解消し、持続的な黒字化への道筋を明確にすることが挙げられます。ノックオンザドア株式会社が財務課題を克服し、てんかんケアにおけるデファクトスタンダードとしての地位を確立できるか、そのビジネスモデルの深化と実行力に注目が集まります。

 

企業情報
企業名: ノックオンザドア株式会社
所在地: 東京都港区芝浦1丁目1−1 浜松町ビルディング 21階
代表者: 林 泰臣
事業内容: てんかん患者・家族向けの発作記録アプリ「nanacara」を中核に、医師向け連携サービスやオンライン診療、専門薬局などを展開し、患者・家族を支えるヘルスケアプラットフォームを構築している。

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