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#501 決算分析 : 山本運輸株式会社 第52期決算 当期純利益 128百万円

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名古屋港を拠点にする総合物流企業、山本運輸株式会社の第52期(2025年3月期)の決算公告が、2025年6月4日付の官報に掲載されましたので、その概要と事業内容を分析します。

20250331_52_山本運輸決算

第52期 決算のポイント(単位:百万円)

資産合計: 2,643百万円 (約26.4億円)
負債合計: 808百万円 (約8.1億円)
純資産合計: 1,835百万円 (約18.4億円)
当期純利益: 128百万円 (約1.3億円)


今回の決算では、当期純利益として128百万円(約1.3億円)を計上し、安定した収益力を示しました。特筆すべきは、総資産約26.4億円に対し、純資産が約18.4億円と非常に厚く、自己資本比率が約70%に達している点です。利益剰余金も1,787百万円(約17.9億円)と潤沢に蓄積されており、極めて健全で安定した財務基盤を誇っています。

 

事業内容と今後の展望(考察)

 

【事業内容の概要】
山本運輸株式会社は、名古屋港を拠点に、港湾物流を核としながらも多角的な事業を展開しています。公式サイトによると、その事業内容は以下の通りです。

 

港湾運送・倉庫事業: 名古屋港の自社岸壁でベルトコンベアー等を駆使し、ガラス原料である「珪砂」の積み込みを行うなど、非常に専門性の高い荷役作業を手掛けています。また、名四倉庫(鋼材・雑貨)、東海橋倉庫(鋼材・機械)、八号地サイロ(珪砂)といった複数の倉庫で、貨物の特性に合わせた保管・荷役サービスを提供しています。


利用運送・海運代理店事業: 協力会社との強固なネットワークを活かし、陸上・海上輸送を手配する貨物利用運送事業や、内航船舶の入出港手続きを代行する海運代理店業も展開しています。


通関業: 輸出入に関わる複雑な税関手続きを代行し、円滑な国際物流を支えています。


付帯・周辺事業: 上記の基幹事業に加え、砂などの重量を正確に計測する「計量証明事業」、東京海上日動三井住友海上の代理店としての「損害保険代理店業」、さらには名四倉庫の屋根を活用した「太陽光発電・売電事業」まで手掛けており、事業の多角化を進めている点が大きな特徴です。


【財務状況と今後の展望・課題】
第52期決算で1.3億円の堅実な利益を確保できた背景には、この多角的で専門性の高い事業ポートフォリオがあります。特に、珪砂や鋼材といった特定品目に特化した港湾荷役・倉庫事業は、高い専門性が参入障壁となり、安定した収益基盤を形成していると推察されます。さらに、計量証明や保険、売電といった周辺事業が、物流事業の変動リスクをヘッジし、経営の安定性を高める役割を果たしています。

 

貸借対照表上の固定資産906百万円(約9.1億円)は、ベルトコンベアーやサイロ、各種倉庫、太陽光発電設備といった、これら多様な事業を支えるための具体的な設備投資の結果であると考えられます。

 

物流業界が「2024年問題」や人材不足という構造的課題に直面する中で、山本運輸のビジネスモデルは示唆に富んでいます。同社は単なる運送に留まらず、特定分野での「オンリーワン」と言える専門技術を磨き上げ、さらに売電や保険といった安定収益源を確保することで、極めて強固な経営体質を築いています。

 

今後の展望としては、これらの強みをさらに伸ばしていくことが期待されます。例えば、珪砂の取り扱いで培った粉粒体の荷役・保管ノウハウを他の原料にも展開することや、カーボンニュートラルへの貢献という観点から太陽光発電事業を拡大していくことなどが考えられます。70年以上の歴史で築き上げた信頼と、多角化された事業基盤を武器に、変化の激しい時代においても着実な成長を続けていくことでしょう。

 

企業情報

企業名: 山本運輸株式会社
所在地: 名古屋市港区入船二丁目2番28号
代表者: 代表取締役 山路 昌弘
事業内容: 名古屋港を拠点とし、珪砂や鋼材に特化した港湾運送・倉庫事業を核に、通関、運送、海運代理店、計量証明、保険代理店、太陽光発電まで手掛ける多角的な総合物流企業。

www.yamamoto-unyu.co.jp

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