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#413 フロンティア・キャピタル株式会社 第3期決算 当期純利益 ▲460百万円

フロンティア・キャピタル株式会社の第3期の決算公告が掲載されましたので、その概要をピックアップします。

20241231_3_フロンティア・キャピタル決算

第3期 決算のポイント(単位:百万円)

資産合計: 8,705 (約87.0億円)
負債合計: 265 (約2.7億円)
純資産合計: 8,440 (約84.4億円)
当期純損失: 460 (約4.6億円)


今回の決算では、当期純損失として460百万円(約4.6億円)が計上されています。 資産合計は約87.0億円、負債合計は約2.7億円で、純資産合計は約84.4億円です。利益剰余金は▲1,055百万円(約▲10.6億円)とマイナス状態ですが、資本金4,750百万円(約47.5億円)および資本剰余金4,750百万円(約47.5億円)により純資産はプラスを維持しています。繰延資産が約4百万円計上されている点も特徴的です。

事業内容と今後の展望(考察)

 

【事業内容の概要】
フロンティア・キャピタル株式会社は、親会社であるフロンティア・マネジメント株式会社(東証プライム上場)のグループ企業として、投資事業およびこれに関連するコンサルティング事業を展開しています。同社の公式ウェブサイトなどによると、主な事業として以下の点が挙げられます。

 

投資・経営執行: 投資先の長期的・持続的な企業価値向上を目的とした投資および経営執行を行います。これには、投資先のスクリーニング、投資実行、経営への参画を通じたバリューアップ施策の実行、業績モニタリング、そして最終的なExit(リファイナンスM&AIPOなど)までの一連のプロセスが含まれます。特定の業種やエリアに限定せず、ビジネスモデルの変革や業界再編による成長を目指す企業を対象としています。


【財務状況と今後の展望・課題】
第3期決算で当期純損失が460百万円(約4.6億円)となった背景には、売上高93百万円に対し、販売費及び一般管理費が485百万円と大きいことが主な要因として挙げられます。同社は2022年4月設立と比較的若い企業であり、2023年初には総額150億円のコミットメント枠を確保し本格的に投資事業をスタートさせていることから、現在は事業基盤の構築、人材採用・育成、投資案件のソーシングや実行に向けた先行投資の段階にあると推察されます。特に、投資先に経営人材を派遣しハンズオンで支援するビジネスモデルであるため、専門性の高い人材への投資が販管費の多くを占めている可能性があります。貸借対照表に見られる固定資産が76百万円(約0.8億円)と総資産に対して小さい点は、有形固定資産への大きな投資よりも、人材やノウハウといった無形資産を重視する同社の事業特性を示唆している可能性があります。

 

フロンティア・キャピタル株式会社が取り組む事業は、企業の変革と企業価値の飛躍的向上を通じて、投資と企業経営の新しいあり方を示すという点で社会的な意義が大きいと言えます。特に、親会社であるフロンティア・マネジメントグループが持つ経営改善ノウハウ、豊富な経営人材、広範なネットワークを最大限に活用できる点は、同社の大きな強みです。これらを通じて、投資先企業の経営課題解決を長期的視点で支援し、地域経済の活性化にも貢献することを目指しています。

 

しかしながら、現状の損失は、事業の成長フェーズにおける戦略的な投資期間の結果と捉えられるものの、継続的な投資活動と将来的な収益化への道筋を明確に示すことが不可欠です。課題としては、投資回収の実績を積み上げること、質の高い投資案件を継続的に発掘し実行すること、そして投資先企業のバリューアップを確実に成功させることが挙げられます。また、競争環境の激化や経済情勢の変動リスクにも対応していく必要があります。

 

今後のマイルストーンとしては、具体的な投資実行案件の増加と、それら投資先における経営改善および企業価値向上の実績が公表されていくことが期待されます。フロンティア・キャピタル株式会社がこれらの課題を克服し、投資先企業の成長支援を通じて持続的な収益基盤を確立し、日本の産業界における企業価値創造に貢献できるか、その戦略と実行力に引き続き注目が集まります。

 

企業情報

企業名: フロンティア・キャピタル株式会社
所在地: 東京都港区六本木三丁目2番1号 住友不動産六本木グランドタワー43階(公式サイトより。官報記載は「東京都港区六本木三丁目2番1号」)
代表者: 大西 正一郎
事業内容 (公式サイト等より): 投資先の長期的・持続的な企業価値向上を目的とした投資・経営執行、投資予定企業に対する有償コンサルティングサービスの提供。

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