株式会社ドーガンの第21期の決算公告が掲載されましたので、その概要をピックアップします。

第21期 決算のポイント(単位:百万円)
• 資産合計: 996 (約10.0億円)
• 負債合計: 317 (約3.2億円) (固定負債の記載なし)
• 純資産合計: 679 (約6.8億円)
• 当期純利益: 96 (約1.0億円)
今回の決算では、当期純利益として96百万円(約1.0億円)が計上されています。 資産合計は約10.0億円、負債合計は約3.2億円(全て流動負債と推測)で、純資産合計は約6.8億円です。自己資本比率は約68.2%と高い水準を維持しています。利益剰余金は931百万円(約9.3億円)と非常に厚く積み上がっていますが、一方で自己株式が299百万円(約3.0億円)と多額に計上されており、これが株主資本を押し下げています。また、その他有価証券評価差額金が▲5百万円(約▲0.1億円)計上されています。資本金は50百万円(約0.5億円)、資本剰余金は2百万円(約0.0億円)です。
事業内容と今後の展望(考察)
【事業内容の概要】
株式会社ドーガンは、福岡を拠点に「九州を、磨き続ける。」をスローガンに掲げ、地域企業の成長と地域経済の発展に貢献する独立系の投資銀行・コンサルティングファームです。M&Aアドバイザリー、経営コンサルティング、資金調達支援、投資事業などを幅広く手掛けています。 同社の公式ウェブサイトなどによると、主な事業として以下の点が挙げられます。
M&Aアドバイザリー: 事業承継、事業再編、成長戦略としてのM&Aなど、企業の様々なニーズに応じたM&A戦略の立案から実行までをトータルでサポートしています。
経営コンサルティング: 事業再生支援、成長戦略策定、事業計画策定、経営管理体制の構築、IPO支援など、企業のライフステージに応じた経営課題の解決を支援しています。
資金調達支援: エクイティファイナンス、デットファイナンス、メザニンファイナンスなど、多様な手法を用いた資金調達のアレンジやアドバイスを提供しています。
投資事業: 九州地域を中心とした企業への投資を行うためのファンド(ベンチャー投資、事業再生、事業承継など)を組成・運営し、リスクマネーの供給を通じて企業の成長を後押ししています。
【財務状況と今後の展望・課題】
第21期決算で当期純利益96百万円(約1.0億円)を確保し、長年にわたり厚い利益剰余金を蓄積してきた背景には、九州地域におけるM&A案件やコンサルティング案件の着実な実行、そして運営ファンドからの収益などが貢献していると推察されます。特に、地方における事業承継問題の深刻化や、地域経済活性化への要請は、同社のような地域密着型専門ファームにとって事業機会の拡大に繋がっています。
株式会社ドーガンが事業を展開する九州地域は、独自の経済圏と文化を有し、多くの魅力的な企業が存在する一方で、事業承継や人口減少といった構造的な課題も抱えています。同社の強みである「九州の経済・産業・企業に対する深い理解と広範なネットワーク」、「M&A、コンサルティング、投資といった多様なソリューションをワンストップで提供できる体制」、「経験豊富な専門人材」は、これらの課題解決と地域経済の持続的発展に貢献する上で不可欠です。
しかしながら、コンサルティング業界や投資銀行業務は、景気変動の影響を受けやすく、また同業他社との競争も存在します。特にM&A市場は案件の成否によって収益が大きく変動する可能性があります。優秀な人材の獲得と育成、そして専門性の維持・向上も継続的な課題です。その他有価証券評価差額金がマイナスである点は、投資先の市場環境によっては評価損益が変動するリスクを示唆しています。
今後のマイルストーンとしては、九州地域における事業承継ニーズへの更なる対応強化、成長産業やスタートアップへの投資・育成を通じた新産業の創出支援、そして地域金融機関や行政との連携深化による地域全体の活性化への貢献などが期待されます。株式会社ドーガンが、その高い専門性と地域へのコミットメントを活かし、「九州を、磨き続ける。」というスローガンの実現に向けてどのような役割を果たしていくのか、その動向に引き続き注目が集まります。
企業情報
• 企業名: 株式会社ドーガン
• 所在地: 福岡市中央区大名二丁目12番8号
• 代表者: 代表取締役 森 大介
• 事業内容 (公式サイト等より): 九州を基盤とする投資銀行・コンサルティングファーム。M&Aアドバイザリー、経営コンサルティング、資金調達支援、投資ファンドの運営など、地域企業の成長と地域経済の発展に貢献する多様なサービスを提供。
