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#297 ダイワロイネットホテルズ株式会社 第8期決算 当期純利益 20百万円

ダイワロイネットホテルズ株式会社の第8期の決算公告(令和7年3月31日現在)が掲載されましたので、その概要をピックアップします。

20250331_8_ダイワロイネットホテルズ決算

第8期 決算のポイント(単位:百万円)

資産合計: 2,200 (約22.0億円)
負債合計: 1,907 (約19.1億円)
純資産合計: 294 (約2.9億円)
当期純利益: 20 (約0.2億円)


今回の決算では、当期純利益として20百万円(約0.2億円)を計上し、黒字を確保しています。資産合計は約22.0億円、負債合計は約19.1億円で、純資産合計は約2.9億円です。利益剰余金は134百万円(約1.3億円)となっており、資本金80百万円(約0.8億円)、資本剰余金80百万円(約0.8億円)と共に純資産を構成しています。その他、貸借対照表に関する特記事項としては、純資産はプラスを維持しているものの、総資産に対する自己資本比率は約13.4%と比較的低い水準にあります。また、固定負債87百万円の全額が退職給付引当金として計上されています。流動負債が1,820百万円と大きいですが、これにはホテル業特有の宿泊客からの前受金などが含まれている可能性があります。

事業内容と今後の展望(考察)


【事業内容の概要】
ダイワロイネットホテルズ株式会社は、大手住宅メーカーである大和ハウス工業株式会社を擁する大和ハウスグループの一員として、「ダイワロイネットホテル」ブランドのビジネスホテルを全国にチェーン展開している企業です。同社の公式ウェブサイトによると、全国に76ホテルを展開しており、主な特徴は以下の通りです。

 

全国規模のホテルチェーン展開: 北海道から沖縄まで、全国の主要都市および地方中核都市の多くにホテル網を構築。駅からのアクセスが良い好立地を重視しています。
快適性と機能性を追求した客室・設備: ビジネス利用に便利な広めのデスクや無料Wi-Fi、快適な睡眠をサポートする高品質なベッドや充実したアメニティを提供。一部ホテルにはレディースルームも設置しています。自動チェックイン・アウト機の導入、セキュリティに配慮したカードキーシステム、一部ホテルでの朝食提供や会議室の設置など、顧客のニーズに応えるサービスを提供しています。また、「DRHロイヤルティプログラム」という独自の会員制度も運営しています。


【財務状況と今後の展望・課題】
第8期という比較的若いステージで全国76ホテルを展開し、当期純利益20百万円を確保していることは、同社が積極的な事業拡大を進めつつ、収益化にも取り組んでいることを示しています。自己資本比率が低い点は、急速な店舗展開に伴う借入金やリース債務などが影響している可能性があります。固定資産が500百万円(約5.0億円)と、展開ホテル数に対して比較的少ないのは、多くのホテル物件をリース契約で運営しているか、あるいは大和ハウスグループ内で不動産所有とホテル運営の役割分担がなされている可能性が考えられ、資産効率を意識した事業戦略と推察されます。

 

同社の強みは、何と言っても「大和ハウスグループ」という強固な経営基盤と高いブランド信頼性です。これにより、新規ホテルの開発や資金調達、人材獲得において有利なポジションを築いています。また、全国規模のホテルネットワークと、ビジネス・レジャー双方の需要を着実に捉える駅近の立地戦略、そして一定水準以上の品質とサービスレベルは、安定した集客力の源泉となっています。

 

しかしながら、ビジネスホテル市場は国内外の多数のチェーンが競合する激戦区です。人手不足に伴う採用難や人件費の上昇、稼働率と客室単価(ADR)の維持・向上、オンライン旅行会社(OTA)への依存度と手数料負担のバランス、そして施設の維持更新コストは、常に経営課題となります。

 

今後のマイルストーンとしては、まず既存ホテルの収益力向上と運営効率のさらなる改善が挙げられます。DRHロイヤルティプログラムを活用したリピーター育成や、ダイレクトブッキングの強化によるOTA依存度の低減も重要です。また、インバウンド需要の本格的な回復を見据え、海外顧客へのアピール強化や多言語対応の充実も求められるでしょう。大和ハウスグループが推進するまちづくりや複合開発プロジェクトとの連携による新規出店や、グループ内他事業(例えば、スポーツクラブNASや大和リゾートなど)との顧客相互送客といったシナジー創出も期待されます。同社がウェブサイトで掲げるサステナビリティへの取り組み(環境負荷低減、地域社会との共生など)を具体的に推進し、企業価値を高めていくことも重要です。同社が、大和ハウスグループの総合力を背景に、どのようにブランド価値を高め、競争の激しいホテル市場で成長を続けていくのか、その戦略に注目が集まります。

 

企業情報

企業名: ダイワロイネットホテルズ株式会社
所在地: 東京都千代田区神田三崎町3-3-21
代表者: 三浦 洋一
事業内容 (公式サイト等より): 大和ハウスグループのホテル運営会社。「ダイワロイネットホテル」ブランドで全国にビジネスホテルをチェーン展開。駅近の好立地と快適な客室、質の高いサービスを提供。

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